コンサバ主婦のひまつぶし

国際関係とか動画の感想とか。

エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷⑥-2(discipline、イスラーム、自由シリア軍)

今日は簡単にアフリン攻略作戦の経過をまとめて、後はヤヤコシイ各武装勢力+外国勢力を書こうと思っていたのですが、書いていたら

「何故自由シリア軍は弱いのか?」

という話になってしまったので外国勢力についてはまた別の機会に書きます。

各情報筋の情報に角度がつきまくりで何が真実か分かんないから取り敢えず、いろんな陣営のアカウントフォローしてたら、ガジュアンテプのクルド人大学生(?)アカウントがトルコのPKKシンパ300人一斉逮捕で取り潰しに遭ってました。。

ヘッダーがオジャラン(PKK創始者)だし、Tweet内容もアレだったからやばいんじゃない?😱と思ってたよ😨

逮捕されたんかな?ひえ〜〜😱

アフリン攻略作戦とロシアについてはこちら↓。

konsabashufu.hatenablog.com

YPGとアメリカのgdgdについてはこちら↓。

konsabashufu.hatenablog.com

次のエントリー辺りで今後の両国について書きたいけど、まずは『オリーブの枝』作戦の現況についてまとめます。

こちらがトルコのハタイ県〜ガジュアンテプ県とシリアのアフリン・イドリブ・アレッポ付近の拡大地図になります。 

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参照:Turkey’s plans for Syria’s Manbij

地形としては、トルコ〜シリア国境が山になっており、アフリンはどちらかというと南に向けて開けた土地の模様。

トルコ軍は主に北の方から進軍し、特にバルサヤという山地(丘陵?)(Bursaya or Barsaya Mountain(Hills))において一進一退の激戦が繰り広げられています(Twitterでトルコ軍のブルサヤ奪取速報が出る度に「何度目?😂」というりぷがつく始末)。

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷⑥-1(失敗した『ユーフラテスの盾』🇹🇷と米軍の迷走🇺🇸)

下の子が胃腸炎になったり家族全員がもらったりしていて更新できなかった間も事態がどんどん進んでしまいもうお手上げ状態です🙋

すでに、少し前のことになりますが、エルドアン大統領から、トルコ軍はManbij方面に戦線拡大する意思のあることが発表されました。

www.trtworld.com

Afrin攻略から始まりましたが、今回の『オリーブの枝』作戦は、(去年の今頃一生懸命やっていたけれど事実上失敗した)『ユーフラテスの盾』作戦の焼き直しだということが明らかになりました。

(ユーフラテス川の西側〜イラク国境までのYPGも一掃するとか言ってるけど、多分アメリカの武器供与を辞めさせるために吹っ掛けてるだけだと思う😅)

これは2016年時点くらいの古い地図になりますが、この地図で黒=IS、赤=YPG、緑=反体制派で、RaqqaとMosulを通る青いラインが川、ラッカを通る方がユーフラテス川で、モスルを通る方がチグリス川になります↓。 

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『ユーフラテスの盾』作戦というのは平たく言うと、

 「ユーフラテス川よりも西側にはYPGは入ってくるな!😡😡😡」

という作戦でした。

が、トルコ軍の進軍が難航している間にManbijというユーフラテス川の東側の町をYPGによって陥されてしまい、現在まで占領を許してしまっている。というトルコとして非常に由々しき事態になっており、アメリカの

クルド人への武器提供辞める辞める詐欺』(なんと、最近ではトルコーシリア国境の警備を任せるとか言いだしていた😱😱😱

と相まって全トルコ国民が憤慨していた模様です。

www.trtworld.com

エルドアン大統領の独裁者イメージ(中東左翼&西側のプロパガンダ)と相まって、

「侵略😡」

って印象がありますけど、PKKはトルコ国内で30年間に一万人も民間人を殺戮しているテロリストグループなので、『普通の』クルド人も含めて(PKKシンパは除く)、トルコ国民にとっては一番の安全保障上の懸案事項民主主義で選ばれた大統領としては対処せざるを得ない部分でもあるわけです(実際、エルドアンさん大嫌いなトルコの野党CHPもYPGへの介入には賛成)。

 

2016年8月から始まり2017年3月末に終わった『ユーフラテスの盾』作戦のManbijを巡る話はかなり混線しており、今回の『オリーブの枝』作戦の元ネタでもあるので参考になるかと思い、今日はまずその話から入ります。

 

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷⑤(宿敵ロシアとの妥協🇷🇺🇹🇷とアフリン攻略作戦)

トルコ軍と自由シリア軍のアフリン作戦が始まりましたね💣

www.afpbb.com

NY timesの記事はタイトルの時点で既に間違っていますが(なので中身読んでいない)、

www.nytimes.com

今回トルコ+自由シリア軍が戦っているクルド勢力はアメリカが後詰めしているSDFではなく、ロシアが支援してイドリブの旧ヌスラ戦線(ヌスラ戦線はなんで名前変えちゃったんだろう???😓)と戦っている(?)YPGです。

その辺のことはこのエントリー↓に書いてあるので下に引いておきます。

konsabashufu.hatenablog.com

クルド人武装勢力についてはこの表↓を見てください。

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アメリカはとにかくイスラム主義勢力が嫌いなのでYPGを支援していますが、YPGの母体のPYDというのはマルクス・レーニン主義政党で、元々旧ソ連の工作機関です。

つまり、なんというか、トルコのテロリスト集団PKKは、IS(イスラム国)と戦うときはアメリカに後押しされたSDFと呼ばれ、ISと関係ないところで他のシリアの反政府勢力と縄張り争いをするときはロシアに後押しされてYPGと呼ばれているらしい。

つまり、

PKK=YPG=SDF

だけど、バックにいる国がそのときどきで違うということ。

実際にこの三つ+ペシュメルガの戦闘員は流動的みたいです。(PKKは反トルコ、ペシュメルガは親トルコで政治的なイデオロギーは違うんだけど)

アメリカ軍は

「SDF(シリア民主軍)はトルクメン人やアラブ人もいる。(自らもテロリスト認定している)PKK=YPGとは違う」

というテイでSDFへの武器供与へのトルコの再三の抗議を無視して来ましたが、

お膝元のNY timesがYPGとSDFの戦闘員が流動的、且つ、両方がクルド人組織だということを全世界に発信してしまいました。(とっくに知ってたよ💁?)

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もう一度繰り返しますが、今回、トルコ軍+自由シリア軍アフリンで戦っているクルド人組織(YPG)を支援していたのはロシア軍です。そして、アフリンはそもそもクルド人の町です(元々町によって住んでいる民族に偏りがあり、飛び地になっていた)。

つまり、今回はトルコ側の侵略であるということ。

これらTweetsや、

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このTweetで見ると分かる通り、

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事実上、

ロシア軍はYPGをトルコに売った

と思われます。(何しろ、YPGの人員・設備・施設情報までトルコが把握しており、ロシア軍の停戦監視員は事前退避(*諸説あり)。)

 

つまり、今回のアフリン攻略作戦については事前に

ロシアとトルコの政府間でなんらかの合意があった

と考えられ、今回のエントリーではその背景について考察したいと思います。

 

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷④-2(東西の結節点・アナトリアとトルコの地政学②)

先日のトルコの当事者インタビューに引き続き、トルコの地政学についての動画をご紹介します。

konsabashufu.hatenablog.com

こちら、Caspian Reportというチャンネルは中東について多く取り上げてあり、英語もそんなに難しくないし、おすすめです〜〜

www.youtube.com

reddithttps://www.reddit.com/r/geopolitics/comments/4fnsc4/is_the_caspian_report_on_you_tube_a_reliable/)によると、Shirvan Neftchiという人が中心となった、アゼルバイジャンのグループがやっているチャンネル(所在地もバクー)のようです。

Caspian Report、というチャンネル名も、

カスピ海の臍、アゼルバイジャン、バクーからお送りします」

というノリなのかも??

彼が管理人のShirvanさん↓。

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フルタイムで働きながらYouTube Channelの運営をしているらしい。

アゼルバイジャンはトルコの兄弟国とは言いますが、たしかにトルコ人と区別がつかない😅

前会ったハザラ人のお兄さんとも相通じる親しみやすいお顔💗

konsabashufu.hatenablog.com

全部の動画を見たわけじゃないですが、特に中東方面の情報収集能力も分析力も大変素晴らしく、英語も聞きやすいので興味のある方は是非どうぞ💗

 

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷④-1(東西の結節点・アナトリアとトルコの地政学①)

今日はトルコの地政学を扱った動画をご紹介します。

まずはトルコの中の人の地政学

2012年とかなり古い動画ですが、とても示唆的な内容を含むので紹介。

www.youtube.com

「資本主義社会とイスラム社会の折衷を余儀なくされる。二つの世界観のバランスの難しさに直面せざるを得ないのはアナトリア半島を制するものの宿命だ」

トルコがNATOから出ることはない。けれども、地政学的な観点からNATOと同意できないことが出てくれば全てに従えないのは当然だ」

「誰からでも好かれる為にはひたすら受動的でいなければならない。しかし、トルコは秩序を作る為に自ら動くことのできる自立した国である」

う〜む。耳が痛いことおっしゃいますね。

 

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷③(キプロス連邦化を巡るトルコの地中海戦略)

先日のエントリー↓でチュニジアとの軍事協力でトルコの地中海進出についてちょっと触れたのですが、

konsabashufu.hatenablog.com

「そういえばキプロスってどうなってたんだろ〜?」

と思って色々調べていました。

 

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エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷②(紅海覇権に乗り出したトルコと、スーダンの駐エジプト大使召喚)

さて、今回はスーダンの駐エジプト大使召喚を題材に、紅海覇権に乗り出したトルコについて書こうと思います。

こちらは1月5日付のニュース↓。

www.theeastafrican.co.ke

スーダンの外務省が駐エジプト大使を召喚したという内容です。

召喚の理由は、ハラーイブ・トライアングルという国境エリアの領有権を巡るものらしい。

英語では、"Hala'ib Triangle"と言い、平たく言うと、イギリスが地形を無視して真っ直ぐに引いた国境を、地形に沿って(山脈の峰線に沿って)引き直そうとして揉めている部分であるとのこと。

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ここで思い出すのは2017年に起きた紅海に置ける二つの領土移譲事件。

です。

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