GCCの家族像(カタール危機②)
まずは、
GCCって何?
ってところから。
英語版ジャジーラの地域カテゴリーにもあるGCCは湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)の略だそうです。
湾岸、というと日本語ではペルシャ湾岸と言いますが、GCCでは
と言って、イラン以外のペルシャ湾岸諸国が集まる中東仲良しクラブみたいなものらしい。
トランプ大統領のサウジ訪問でセンター付近に集まっていたような人たちが中心。と思います。
ジャジーラ局はさすがだなぁと思うのは、人道主義的側面から西側メディアに訴えかけている点。
湾岸の奴隷上等の金持ち国家が人道に訴えかける。というのもどうかと思うけれども、
それでもやっぱり心を動かすには一定の効果があると思う。
面白いなぁと思ったのは、
- GCCではひとつの部族が国境線を跨いで住んでいることがあり、親戚同士が別々の首長国の国籍を持っている。
- GCC国家では父方の国籍を継承する為、GCCのアラブ人同士の国際結婚では、住んでいる国に拘らず(母方の国に在住していても)、子供は父方の国籍のみ保持する。
なので、母方の国(カタール)で育ったUAE人やバーレーン人や、その逆もたくさんいるということみたいです。
また、この断交措置はラマダン(日本で言えば正月のようなもので、親戚が集まるらしい)中であり、カタールの親戚を訪ねていた人やカタールから周辺諸国の親戚を訪ねていた人も多数いて本当に大変だったみたいですね。
- 今回のカタール危機では、カタールに滞在中の国籍保持者が指定期間内に帰国しない場合、国籍剥奪や入国禁止の措置を行う(バーレーン)
- カタールに同情的な意見をSNSなどで述べた者は15年以下の禁固刑(UAE)
親戚やらビジネスやら結婚やらでGCC諸国は域内でしょっちゅう人の行き来があるようなので、ジャジーラのインタビューに出演していたバーレーン国籍の男性(サクラかもしれないけど)のように帰国しないままカタールに帰化しよう。と思う人もいるだろうし、トップがどんなに険悪でも、国民レベルでは同胞意識もあるだろうから同情的な意見を封じ込めるのは難しいんだろうなぁ。と察せられる措置ですね。
ヨーロッパの街中や観光地に行くと、上の記事のサムネのような白装束の旦那さまと黒づくめの奥様、同じく黒づくめのおばあちゃん、ごく普通の洋装をした子供たち(4〜5人)がぞろぞろと歩いているのを見かけます。
老親と既婚の息子二人が妻子を連れていたり、二、三家族単位で移動してるのも珍しくないです。
サウジの国王一行が訪日された際もその人数や荷物の量が話題になりましたが、
国家機能ごと一ヶ月間あっちこっちに外遊するのを見ていると、GCCの方達は、定住する前は遊牧民だったり隊商だったり、大家族で移動する習性が残っているのかな。とか思ってみたりします。
DNAレベルで。っていうと差別になっちゃうのかな。