コンサバ主婦のひまつぶし

国際関係とか動画の感想とか。

イランに睨まれたカエル、クウェートとオマーン(カタール危機⑦-2)

断交四カ国からカタールへの13箇条の要求の最後通牒の10日+48時間の延長を含めた回答期限がすぎました。

www.aljazeera.com

カタールの首長の親書がムハンマド外相(別エントリー参照)によってクウェートの首長に渡されました。

www.nikkei.com

仲裁国クェートの提案で回答期限延長をした(サウジ・UAEへの事実上の助け舟)らしいのですが、正直、48時間延長する意味があったのか???との疑問を免れない。。

というのも、どう考えても断交四カ国には、強気のカタールからのゼロ回答に対応出来るだけの知恵も力もないから。。

konsabashufu.hatenablog.com

最後通牒を出した四カ国はカタールと断交しているので、回答を直接渡すことができません。

そこで、仲介役を勤めたのはこちら、クウェートのサバハ首長(Sabah Al-Ahmad Al-Jaber Al-Sabah - Wikipedia)殿下。f:id:konsabashufu:20170703211319j:plain

こちらはオバマ大統領、カタールのタミーム首長、オマーン(柄物のターバンはオマーンの特徴)のファハド副首相と。小柄なお爺ちゃま。なんと、1929年生まれで当年取って88歳。湾岸一の高齢元首です。

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こんな可愛いお爺ちゃん首長に降ってわいた災難が例のカタール断交。

勃発当初から自家用ジェットでフルスロットル✈️でした。

今日はこの首長が仲介者となった背景について(憶測も交えて)書きます。

 

 

このエントリー↓でも書きましたが、湾岸政治は首長同士の人間関係(だけ!)で国家間政治が動いてしまう恐ろしいところ。

konsabashufu.hatenablog.com

クウェートは歴史的な関係や部族的な繋がり、国柄も含めてGCCの各国と友好関係にあり、サバハ首長長老的存在で強硬派首脳陣も無下に扱えない方ということではないかと推察致します。

実は、GCCカタールUAEサウジアラビアの仲裁が可能な国はもうひとつあって、そちらも最初期から名乗りを上げていました。

シンドバッドの国、オマーンです。

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Qaboos bin Said al Said国王陛下。Sultan Qaboosと呼ばれているらしい。

オマーンGCCに加盟していますがクウェートカタールと並んでイランと行き来があり、今回のカタール危機の仲裁に名乗りを上げていました。

イランのロウハニ大統領とオマーンのカーブース国王(2014年3月於オマーン)。

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しかし今回は実際には動かず、ザバハ首長のクウェートが仲裁の主体になることになったようです。オマーンはカーブース国王が癌を患っているそうなので、ジェットセットな湾岸王族外交✈️がやりにくいということもあるかもしれません。

www.aljazeera.com

オマーンは国王が癌な上に子供がいず、後継者が決まってなくて今後が不安定要素らしいですが、イバード派というほぼオマーンしかいない珍しい宗派なせいか(済みません。テロはスンニ派が多いと勝手に思ってます)テロもあまりなくわりと暮らしやすいらしいです。)

 

トランプ大統領が就任し、イラン強硬政策を打ち出した今年2月にロウハニさんが歴訪したのもクウェートオマーンだったみたいです。

www.thenational.ae

アブダビの新聞がピキピキ💢になって書いています😅

この記事を読むと、オバマ政権がイランに近づいたことにGCCがどれだけ発狂していたか分かる気がします。

 

そして、イランもイランでGCC(特にアブダビとサウジ)の発狂を面白がってる節があり(イランのそういう天然ウエメセなところ好きだけど😅)、今回のカタール危機勃発の後に、外洋に向かう軍艦二隻をわざわざオマーンに寄港させています。(絶対わざとでしょ???)

www.aljazeera.com

オマーンにイランサイドに就く気がなくても、

イラン「ちょっと寄っていい😏???」

オマーン「は、はい😰」

って言わざるを得ないよね。

 

そしてこんな噂も。

www.samaa.tv

これは、パキスタンのメディアみたいなのですが、イランのHouthy派への支援物資はオマーン国内を通って陸路で搬入されているのでは?との記事。

紅海沿岸はUAEとサウジが海上封鎖してますからインド洋岸のオマーンのイエメン国境近くで荷降ろしして陸路で運んでいる疑惑

オマーン、完全に疑われてます!

カタール危機後にオマーンが調停を申し出たときも確かアブダビ皇太子MbZ

「お〜前〜は〜、イランと内通しとるだろ〜👹」

って恫喝してたような。。(元記事見つからず)

 

オマーンは他にも紛争の仲裁経験もあるのですが、こういう経緯もあり、国王の健康状態に加えてサウジ・UAE側からの信用がないっていうのが今回クウェートの独壇場となったんじゃないかと推察致します。

 

その点、クウェートの首長家はバーレーン首長家やサウジの王家とも同じアナイザ族出身で、親戚関係にある為、サウジ側からの信頼を得やすかったのかなぁと思います。

イランに睨まれ、サウジ・UAE

ゴルァ

されるオマーン

逆に、イランに睨まれて言いなりになるしかない状態のオマーン

ゴルァ👹

するだけで助けてあげなかったら、オマーンもイラン側に行かざるを得ないと思うんだけど。

 

例えば、オマーンが今回の断交時に素早く手を上げてカタールへの貨物船に港を使わせてあげた件。

www.aljazeera.com

ハブのドバイを使えなくなって港を提供したのもMbZの逆鱗に触れてそう(でも、そうしないとカタール向けの荷下ろしできない😰)ですけど、オマーンからすれば、次にカタールの立場になるのは自分たちだっていう危機感もあるから当然の処置だと思います。

イランがカタールに港三つ使わせてあげるって言ってたけど、カタールとしてもイランの港を使うわけにはいかないから、オマーンに使わせてもらうのが妥当だと思うけれども、

ゴルァ

路線を崩さないUAEオマーンカタールに助け舟を出しながら、UAEに釈明せざるを得ない状況。

www.arabstoday.net

↑こういう動きも信用がないのを釈明する動きの一環かなと思いました。ここでUAE側から登場するのはUAEの良心あるいは中間管理職ドバイ首長MbR氏です。

UAEの融和路線の旗手?力がないけど😅

 

開き直ったカタールと外交大活躍で名を上げるクウェートの裏でじわじわ追い詰められるオマーン

VS

ガチの嫌イラン強硬路線のサウジと属国バーレーン、そしてUAEアブダビ

というGCCのドロドロがダダモレになってきました😱

 

中東って面白〜〜〜い🙆

 

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