コンサバ主婦のひまつぶし

国際関係とか動画の感想とか。

エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷①(エルドアン大統領のオスマン家面会と独仏のトルコ擦り寄り)

新年早々トルコはEUとの外交攻勢でした。

特に面白いなと思ったのがエルドアン大統領のオスマン王家との面会

www.trt.net.tr

織田信長が天下を取る段階で足利将軍家や、天皇家に近づいたことを思い出します。

気になるのは最早、

エルドアンがスルタン=カリフ国家を目指すのか、民主制を続けるのか🇹🇷

という一点になってきました。

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信長は最初足利将軍家を担ぎますが、将軍家を排した後は天皇家を担ぎ、自らは右大臣の地位につきました。

オスマン家をトルコに引き取って再興したオスマン帝国の宰相となるのか、それともエルドアン朝を始めるのか?

www.newsweekjapan.jp

どちらにしても、大統領権限強化の住民投票を終えて2019年に大統領改選となるトルコが新体制国家になることは間違いありません。

 

 

今回のエルドアン大統領のフランス訪問は、オスマン王家との面会が目的ではなく、マクロン大統領との会談が目的でした。

www.reuters.com

曰く、

「トルコがいないと、NATOはダメよ、ダメダメ😱」 

こちらのエントリー↓でも書いた、トルコの上海協力機構への軽い傾倒を見ての危機感の表れでしょうか?

konsabashufu.hatenablog.com

経済的にも、トルコはEU諸大国と違ってまだまだ経済成長しているので絶対離したくない取引相手です。

abcnews.go.com

マクロンはEU絡めてごにょごにょ言っていますが、トルコの力を笠に着てドイツに対抗するというのはフランスの常套手段というか、19世紀以来の伝統な気がします。

付かず離れずと言えば聞こえはいいですが、利用価値があると思ったら擦り寄る、くっ付いてきたら突き放す、そんな感じ。

トルコの方もまあ、慣れているというか、したたかだとは思うのですが、EUはとにかくトルコが負担しているシリア難民の渡航阻止の支援金(60億ユーロ)を早く払うべき。 

www.newsweekjapan.jp

合意を守らない国云々って日本でも問題になってるけど、EU全体で履行しないなんて😨

 

フランスでエルドアン大統領が歓待されていた頃、お馴染みチャウショール外相もドイツのガブリエル外相と会談。

www.trt.net.tr

自宅でトルコ風のチャイ

を振舞われるという急激なフレンドリー路線

www.trt.net.tr

去年の2月はこんなだったのにね↓。

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Turkish President Recep Tayyip Erdogan on Thursday rebuked German Chancellor Angela Merkel for using the expression "Islamist terrorism", saying the phrase was not correct and saddened Muslims.

メルケルイスラム教徒のテロガー」

エルドアン「💢💢💢」

 

相次ぐEU二大国のトルコ擦り寄りUAEのメディアも大発狂↓。

www.thenational.ae

マクロンのこの擦り寄りっぷり↓

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(ゲイの噂が絶えないマクロン氏ですが、エルドアンさんもストライクゾーンかも?😊)

マクロンの意図ははっきりしています。

In November, he insisted that the EU should maintain dialogue with both Russia and Turkey, he even went as far as referring to Turkey as “an essential partner” when it comes to dealing with conflicts such as Syria, wherein France is seeking to play a greater role.

要するに、シリアやエルサレムなどの中東問題でフランスがより関与し、影響力を持つことで、イギリスが抜けた後のEUでのドイツ一強を防ぎたい、その為に、メルケルエルドアン大統領の不仲を梃子にトルコの取り込みを図りたいということ。

なかなか主力産業が育たず、死に体のフランスは外交的に指導力を発揮するくらいしか発言力を増す手段がない。

(そういう意味ではロシアによく似ている)

フランス外交のロシアとの違いは、(軍事)力よりは口の巧さと速さで勝負ってことですかねー。

くららの『バルカン』シリーズのこの辺でも分かるけど、

www.youtube.com

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ドイツがトルコに冷たくすると、フランスがトルコに近づくって歴史的に繰り返されてるなぁと思います。

 

グルジアトルコ人エルドアン大統領と、アラブ系トルコ人の愛妻↓。

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オスマン家のスルタンはお母さんが西欧出身のハレム女性だったり、中央アジア系だったりしたわけなので、オスマン帝国らしいといえばオスマン帝国らしいカップル👫

 

エルドアンさんがアラビア語教育やオスマン後復活に傾倒し、トルコ語ナショナリズムやトルコナショナリズムを受け入れられないのは、本人がテュルク系ではなく、カフカス系民族の出身というアイデンティティーがあり、祖父もギリシャ人(トラキアギリシャムスリムだったらしい)だという背景もあるのかなぁと思っています。

テュルクよりもムスリムとして共同体に帰属したいという願望と、トルコ民族主義への嫌悪が根底にあり、CHP(ケマル・アタテュルクの作ったトルコ民族主義政党、共和人民党)と相入れないのはその部分ではないかと。

彼のイスラム主義というのは、単純な信仰心やイスラム教の狂信というわけではなく、国内向けには

カフカスムスリムとしてトルコの政治家をやっていく上でのレトリック』

国外向けには

イスラムの盟主として近隣・遠隔の諸国の敬虔なムスリムの庶民にアピールする為のレトリック』

の側面はあるでしょう。

なので、あんまりエルドアン大統領の宗教的な側面を強調するのはトルコの覇権の構造を見誤るかなぁと思います。

エルドアニズムは

イスラーム主義の服を着た開発独裁

です。

サウジアラビアの『アラブ・イスラーム学院』的ソフトパワーを追い風に、新興国の多いイスラム諸国のインフラ需要にうまく乗っかっていると思います。

konsabashufu.hatenablog.com

トルコの主正面は今はアジアです🌏

 

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