エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷③(キプロス連邦化を巡るトルコの地中海戦略)
先日のエントリー↓でチュニジアとの軍事協力でトルコの地中海進出についてちょっと触れたのですが、
「そういえばキプロスってどうなってたんだろ〜?」
と思って色々調べていました。
まずは去年の今頃のBBCの記事↓。
「トルコがキプロスから兵隊を引き上げるのは、ギリシャが引き上げた後だ」
キプロスは1960年までは大英帝国の植民地であり、今でも島内には大英帝国の基地・領土があり、キプロス共和国(南キプロス)は英連邦の構成員でもありますから、BBCはトルコの北キプロス侵攻を非難しまくりです。
が、トルコ側にとっては、
「キプロスはオスマン帝国領であり、キプロスはトルコである🇹🇷
オスマン帝国の衰退につけ込んでキプロスを侵略したブリカスはケシカラン💢💢💢」
ということでしょうから、まあ、どっちもどっちかな😅
この↓、トルコの喉元に刺さった骨みたいな形の島がキプロス島です。
歴史的には
という運命を辿った島で、ギリシャ語住民が多数派ではあるけれども、現在のギリシャ国家とは意外と関係ないところがポイント(ギリシャを盾に英国がトルコと睨み合っている)。
トルコとしては、ここが大英帝国支配且つ、仇敵ギリシャがワーワー言ってくるのは嫌だろうなぁ。
というのは想像に難くありません。
トルコへの嫌がらせに、これ見よがしにゴリ押しでギリシャと一緒にEUに加盟させたりして。。経済ダメなのに。。
あれはトルコも怒るわ😤
今でも大英帝国はキプロスだけでなく、ジブラルタル海峡の両端やモロッコの沿岸など、地中海の入り口を抑えています。英国海軍の地中海のプレゼンスを維持する上でキプロスは重要拠点であることは確かでしょうが、何しろ落ち目の英国は
2017年就航の最新空母がwindowsXp搭載(😂)
という体たらく。(*ちなみに通常動力+スキージャンプ式)
もう一隻作るつもりらしいけど、どうせ訳に立たないポンコツなんだから、諦めて海軍は縮小する方向の方が良いんじゃないかなと思う😅
空母って確かにかっこいいけど運用が大変(パイロットの着艦訓練も含め)で実際見せびらかす以外にあんまり使い道ないし、金食い虫だし、正直、フォークランドはアルゼンチンにあげちゃえば?って思ってしまいます。
(*尖閣諸島は渡しませんが。。)
尖閣ですら遠いから防衛が大変とか言ってるのに、地球の裏側の島は、さすがに防衛コストが高すぎる💰💰💰
さて、キプロスの命運はエルドアン大統領の胸先三寸で決まると言っても過言ではない今日この頃(←BBCがエルドアンさんの一言で大発狂する理由)。
わたしは全然知りませんでしたが、2017年12月にエルドアン大統領がキプロス問題をめぐって、ギリシャを訪問していたようです。
その際、エルドアン大統領はレパントの海戦の武将、ソコリュ・メフメト・パシャの言葉を引いて、次のように発言したらしい。
He illustrated the point by quoting from a letter Sokollu Mehmed Pasha wrote to the Ambassador of Venice in 1573; two years after the naval battle of Nafpaktos, referring to Cyprus:
“By conquering Cyprus we have cut off one of your arms; at Lepanto [Nafpaktos] by defeating our navy you have only shaved off our beard. However, you know that a cut-off arm cannot be replaced but shaved-off beard grows thicker.”
『レパントで勝って俺の髭を剃り落としたくらいで、好い気になるなよ?今度こそお前の腕を切り落としてやる😎髭はまた生えてくる。もっと分厚くな😎』
The Battle of Nafpaktos or Leapanto; as was the Venetian name of the city in western Greece, took place on 7 October 1571 when a fleet of the Holy League, of which the Venetian Empire and the Spanish Empire were the main powers, inflicted a major defeat on the fleet of the Ottoman Empire.
出た、レパントの海戦😂😂😂
1571年に行われたオスマン帝国とヴェネツィア帝国の海戦らしいです(450年前😂)。
初めにまとめると、第一次世界大戦後にケマル・アタトゥルクが列強の分割からアナトリア半島を取り返したとき、海軍力が不足だった為にキプロス島は英国領のままとなり、トルコ系住民もそのまま取り残されたまま(実際には今もブルガリアや旧ユーゴなどの東欧諸国にはトルコ系住民がブルガリア国籍でトルコに戻れないまま残っている)
↓
1960年、キプロスが英国から独立
↓
1974年にギリシャ併合推進派によるクーデター。トルコがトルコ系住民の保護を目的に軍事介入(東ウクライナを彷彿とさせる😓)
北キプロスが独立するも、トルコのみが承認
ちなみに北キプロスの旗↓
トルコと可愛い色違い💗
さて、このBlogを読むとよくわかるのですが↓、
ここで問題は、北キプロスはトルコのみが承認している国家だということです。
北キプロスは航空機などの往来もトルコのみ、さらには入国するとキプロス・ギリシャなどに入国できないという事実上鎖国状態。
事実上のトルコなのに、『独立』国家であるために行政統合すると『侵略』と言われてしまうなどなど、30000人とも言われる兵士を配備しながら、経済の発展もしようのないThe・ジリ貧となっていました。
(物々しい兵隊以外に特に何もない1980年代の北キプロスの様子はこの本↓に詳しく載ってます💁)
ここで天才的戦略家のエルドアンさんが考えること。
それは、
南北キプロスの統一、連邦化
です(朝鮮半島辺りで聞いた話だなぁ😂)。
地中海のドゥバイ、バーレーンにするということ。
湾岸のお金持ちは、海辺のリゾートが大好き💗
また、トルコの盟友で湾岸諸国の中で一斉にエンガチョされた国がありましたよね?
そう、カタールです。
あの一件の前にはGCCの経済というのは、超ズブズブでした。(言語障壁もない域内自由貿易且つ人の移動も自由だったので)
カタール断交以来、湾岸のビジネスマンは往来が不自由になって大変(カタールとドバイのビジネスマンはお互いの国に入れない)だったりしますが、GCC内の国際ジョイントベンチャー的なことも、第三国なら出来るわけで。
今でもトルコやヨーロッパ(特に英国)ではGCCのビジネスマン同士は普通に行き来があると思いますが、
地中海にリゾート付きのイスラム系租界が出来たら素敵だな💗
つ 統一キプロス
というわけ。
わたしは、連邦化したら北キプロスに一気に(カタールやトルコ本土+UAE)投資が入ってすごい勢いで観光化+プチ金融センター化も夢じゃない(かもしれない)と思います。
昼間は到底出歩けない灼熱のドバイなんかより、よっぽど環境がいい🌍ですから。
ドバイ有するUAEのメディアThe Nationalはエルドアン大統領のギリシャ訪問を受けて大発狂😂(UAEのメディアはいつも分かりやすく発狂していて面白い😂)
Turkish Cypriots 'joint owners' of Cyprus, not minority: Erdogan
「トルコ系キプロス人は統一キプロスの少数者ではなく、連邦国家キプロスの対等な国民となるべきだ」
と明言したとのこと。
UAEの発狂ポイントは、連邦制度は北キプロスにとっては鎖国解消になるだけでなく、北キプロスのトルコの軍事基地(南キプロスにも英国海軍基地があるのでお互い様)を棚上げすることも可能で、トルコの丸儲けやんけ〜〜😫
ということかと。
UAEとサウジはトルコが小うるさく言うのをとても嫌がっているので。。(トルコは怖いので口答えはできないけど、外野でワーワー言っている😂)
連邦化したキプロスをトルコが事実上抑える、ということは(それが可能になるかはともかく)シリアを抑えたイランやロシアにとってもちょっと嫌でしょうね〜
南キプロスは安全保障をほぼ英国に頼っている状態のようですし、英国海軍の威光も斜陽の一途です。
おまけにBREXIT🇬🇧
南キプロスは英連邦ですが、EUに入っていないトルコが孤立化した英国と仲良くなっちゃったりしたら、ひょっとするとひょっとするかも???
(米帝に安全保障を丸投げしてる国、極東にありましたよね?二つほど😅🇯🇵🇰🇷)
エルドアン大統領「連邦化してしまえば、こっちのもの」
(北のKJもきっと同じこと考えてる😂)
にしても、2017年12月のエルドアン大統領ギリシャ訪問は、トルコの大統領として65年ぶりだったらしい。
オリンピックの開会式ブッチしたくらいで騒いでる日本は、まだまだ韓国と仲良しってことかも??😅
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