フランスのislamophobiaはもう手遅れかも😨
と青ざめています。
このエントリーでご紹介した歌い手系YouTuberのMennelちゃん。
"The Voice"というフランスのオーディション番組で一次予選を通過し、二次予選に進む予定だったのですが、反響が大きすぎ、今後の出演を辞退するとのこと。
え〜〜ん、嘘でしょ〜〜〜😭😭😭
こんなに可愛く微笑んで幸せそうで、TV映りも良かったのに〜〜（自撮りマジックじゃない美女💁）
というわけで、今日は彼女がTV出演辞退に追い込まれた経緯について書きます。
（トルコの軍事作戦はまた今度😓）
こちらがMennelちゃんのFacebookに投稿された出場辞退を宣言する動画です↓。
これからも友達や大切な人のために歌っていくつもりだけど、今回のThe Voiceへの出演は辞退します。
24時間で110万再生超え😱（いつの間にそんな大スターに😱）
出場辞退の原因ははっきりしています。
わたしがこのエントリーで懸念した通り😓
一つは、2016年のニースのテロ事件について書いた
「毎週テロが起こる度に身分証を出さされる」
「本当のテロリストはフランス政府」
などのジハーディストにやや共感的なSNS Postが発掘され、右派の陰謀論アカウントに拡散されたこと。
また、レイプ事件で時の人となったタリク・ラマダン（Tariq Ramadan）のファンだったことも発掘されています。（難しそうな本読むんだね😅）
ニースの事件についてはニース市の市長（？）がTF1に抗議の電話をしたらしい。
JMF（Jeunes musulmans de Franceフランスの若いムスリム）という団体の主催者でモロッコ系フランス人のイスラム主義者ハサン・イクイウサン（Hassan Iquioussen）への心酔も問題になっていました。
また、Hijab Day（World Hijab Day - Wikipedia）という全世界のムスリマがヒジャブを被って一箇所に集まるイベントを主催している女性と一緒に写真に写っているFacebook写真も拡散され、六芒星マークのアカウントに
「あいつはジハーディストだ！」
と言われる始末↓。
わたしがちょっと見ただけでこれだけの大炎上なので、本人のFacebookやTwitterアカウントへの嫌がらせはどれほどひどかったでしょう。
本人のTwitterをまとめたものがこちら。
Depuis hier, je lis beaucoup de choses qui sont sorties de leur contexte.
On me prête des intentions qui ne sont pas les miennes et qui ne reflètent aucunement ma pensée.Je suis née à Besançon, j’aime la France, j’aime mon pays. Je condamne bien évidement avec la plus grande fermeté le terrorisme. C’était la raison de ma colère. Comment imaginer défendre l’indéfendable !
Je prône un message d'amour, de paix et de tolérance, la preuve en est mon choix de chanter Hallelujah de Léonard Cohen. Cette chanson illustre parfaitement le message que je souhaite faire passer en tant qu’artiste.
ブザンソンで生まれ、フランスを、自分の祖国を愛していること。
テロリズムには最も強い力を持って反対していること。
愛・平和・寛容のメッセージを伝えたくて、レナード・コーエンの『ハレルヤ』を歌っったこと。
「わたしの怒りの原因はそれよ。守り難いものを守ることを想像してよ！」
守り難いものってなんだろうなぁって思うけど、多分それは
信仰（とか信教の自由）
なんだろうなと思いました。
「テロの度に身分証を見せろと言われる」
という行政の対応への不満は、
テロのせいで信仰の自由が無くなる
という絶望からの率直な感想だと思います。
そもそもフランス生まれのフランス人で、尚且つ見た目も普通のフランス人であるMennelちゃんが何故
「身分証を見せろ」
と言われるのかというのが問題です。
それはずばり、Voile（ヴェール）です。
The Voice出演時のエントリーでご紹介した動画でも、何故髪を隠しているのかとインタビュワーに聞かれてムッとしていましたが、
フランス人はヴェールが本当に嫌い
なんです。
オランダやドイツなどもニカブやブルカは禁止ですが、ヒジャブは禁止ではありませんし、ヨーロッパの大都市は基本的に街中にヒジャブが溢れています。
でも、ブルキニ禁止騒動でも分かる通り、フランスはヒジャブにも厳しいんです。
このBlogでもいつかご紹介しようと思っているモロッコ生まれのユダヤ陰謀論者（？）のヤコブ・コーエン氏もヴェールに対するオブゼッションだと指摘しています。
わたしも、彼女が髪を隠していなければ、きっとこんな騒動にはならなかっただろうと思います。
陰謀論者もそんな過去の発言まで熱心に調べないでしょうから。
フランス共和国は自由・平等・友愛と
をモットーとしていますが、laïcitéは今のフランスでは信仰を持つものに対する怖れとして表出するようになってしまったようです。
Mennelちゃんは番組降板騒動の後、このエントリーで紹介した"Al Hubbu Yasood/ الحب يسود"（愛が治める）という曲をまた公開にしてくれました。
ジハード音楽だのなんだのって言ってるけど（今もそう思っているけれども）、わたしが初めて彼女の歌声でいいなぁと思ったのはこの曲です。
すごく巧いっていうわけじゃないんだけど、歌詞の意味も一つも分からなかったんだけど綺麗な声で丁寧に歌っているのを聴いて、きっとお祈りの歌だろうなと分かった。
やっぱりそれって一つの才能だし、彼女の信仰心がその歌声に表れているから私にも伝わったんだと思います。
わたしは祈ることや信仰を持つことが悪いことであるはずはないと思ってるし、シリア人の父を持つ思春期の彼女が（今22歳なので内戦開始時14、5歳）同胞の苦しみに心を痛めないはずはないと思う。
ただ、今のフランスでは彼らのその信仰を守ることは難しくなりすぎた。
Mennel「わたしの祖国フランスでは、IslamophobiaをLaïcitéというらしい」
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西洋的な育ちのムスリマが突然ジハーディストの妻になったりする現象のコンテクストが分かった気がするなぁ😢（Mennelがジハーディストだと思っているわけではありませんが😓）
