コンサバ主婦のひまつぶし

国際関係とか動画の感想とか。

サウード家と物言わぬ家畜(サウジアラビア①)

中東にある程度興味がある方とない方では一番評価が分かれるんじゃないかと思う、サウジアラビアや湾岸首長国GCC)について今日はちょっとまとめてみます。

◉一般人

お金持ち国家、石油王〜💰💰💰💰💰

◉中東かじったことのある人

企業中枢を一族が独占する極端なオーナー企業。

あれは国家と言えるのか?😠

って感じで、サウジアラビアについては

「滅びれば良いのに😡」

って思ってる方も多いと思っていて、今回のカタール断交と引き続いてのMBS皇太子指名で、

サウジの滅びが近づいたwktk😍

してる方もたくさんいそうです。(わたしのことじゃないですよ、念の為😱)

 

 

まずは、サウジアラビアについてご紹介。

konsabashufu.hatenablog.com

サウジアラビアサウード家のアラビアという意味で、第一次世界大戦中にイギリス軍の後押しで(アラビアのロレンス的な)あの辺りを制圧したアラブの部族のうち、サウード家のアブドゥルアジーズ・イブン・サウードという人が、他の有力部族ラシード家を追い出して打ち立てた絶対君主制国家です。

GCC湾岸協力会議 - Wikipedia)というのは平たく言うと、湾岸のお金持ち産油国の仲良しクラブ(実は仲悪いクラブ)で、役割としては

EUとNATOを一緒にしたようなもの

です。

参加国はアラブ首長国連邦バーレーンクウェートオマーンカタールサウジアラビアの六カ国

内容としては2009年頃からの

  • 域内の人の移動の自由(旅行・居住の自由)
  • 域内の物の移動の自由自由貿易
  • 軍事同盟(域内の動乱への支援やイエメン介入への多国籍軍派遣)

など、後付けの国境線のせいで国境を跨ぐ家族や遊牧民をたくさん抱える地域ですし、言語もアラビア語で単一(方言は勿論あるけれど)なので

  • ドバイで成功した企業がドーハとリヤドに進出
  • オマーン在住の方が週末はドバイで買い物
  • ヨーロッパ人の嫁(キリスト教徒)をもらったサウジ人のビジネスマンが、妻子をバーレーンに住ませてサウジに単身赴任で週末婚
  • サウジのオタク娘がUAEコミケに直参(未確認)

 とか、こういう色んなライフスタイルが可能になっています。

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↑この動画に出てくるカタール人のビジネスマンも、

「日本で食べて美味しかったから〜〜」

って、ドーハからドバイにお菓子買うためだけに飛行機で来たらしい。

とにかく、域内を気軽に行き来できるので、主に旧宗主国イギリスと各首長家の思惑による後付けの国境線で不便を強いられている各国国民にとってはとても嬉しいものだったみたいです。

この動画↓でも、

GCCは一つの国家みたいなものだった。政府にはそれぞれの主張があるだろうが、国民は各国に家族や繋がりがあり苦しんでいる」

と言われています。

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↑この可愛い男の子は Salamくん(11歳)というらしいです。 

Salam=平和

って意味ですよね。なかなかリベラルな名付け💖

(アラブ人の名付けについては前述のエントリーを参照してください。)

 

わたし的にびっくりしたのはこの動画↓でした。

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GCC諸国はモダンな産油国でありながら、昔ながらの遊牧業を営む人も多いらしく、カタールは狭い国なので、カタールのラクダは普段、サウジの広大な砂漠で遊牧しているそう。

foreignpolicy.com

36時間以内にカタールのラクダをサウジに引き上げろと言われて、強行軍を余儀なくされ、

「死んだラクダもたくさんいるし、迷子になったラクダや、脚を怪我したラクダもいる。母親が迷子になった子ラクダは、直に死んでしまうだろう」

と言っています。レース用のラクダもいるらしく、ラクダのレースとかあるんだなぁとちょっと感動。競駱駝?

「叔父はサウジアラビアに住んでいて、兄はUAEに住んでいる。バカバカしいことだが、彼らにはもう会えない。サウジ側は自分たちに対して、完全に敵扱いだった。この状態が解消するには何年もかかると思う」

というお話もされていました。

 バーレーンSNSカタールに同情的な発言をした人が禁固15年に処されたことに対するこの動画↓も興味深かったです。

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ここに出てくるハリル・ジャーシャン(Khalil Jahshan - Wikipedia、Executive director of the Arab Center of Washington)方は、アメリカに帰化しているパレスチナ人の活動家らしいのですが、サウジのジュベイル外相(Adel al-Jubeir - Wikipedia)のお友達だということで、サウジとその仲間たちに対して文句たらたらのバーレーン人活動家に比べると、

 「サウジのロビィストかな???」

と思うくらいサウジを攻撃しなかったのですが、最後にスイッチが入ったのか語り始めます。

「トランプはサウジとUAEGCCの警察と認定し、

『奴らを追い出せ!このコミュニティから、この地域から、この世界から!🌍』

なんて言っていたが、『この世界から追い出せ』なんて、何を考えているんだ。世界は一つしかないのに」

そして、サウジを名指しせず、湾岸の首長国は、という主語でこうも言っていました。

GCCの支配者たちは国民を自分の持ち物だと思っている。国民の発言や、思想さえも支配しようとしている」

アラブのお金持ち国の王様にとっては、国民というのはラクダと一緒で自分の持ち物なんだな。と思ったらすごく腑に落ちました。

サウジアラビアっていうのはつまり、

サウード家ともの言わぬ家畜で構成されている

んだなあと。

サウジにお金がなくなるとヤバいっていうのはつまり、黙らせるための資金がなくなるから崩壊するってことなんですよね。

黙らせるための資金は、バラマキだったり弾圧のための軍備だったりするわけだけれど、言論を封じられた家畜に愛国心や国家意識なんてないわけだから、中央の力が衰えたら放された駱駝のように砂漠に霧散して国民なんて消えてしまい、サウード家は元のように、あの砂漠でラクダに乗って遊牧をする、有力部族の一団になるのでしょう。

 

konsabashufu.hatenablog.com

 

 

 

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