MbN元皇太子軟禁疑惑。(サウジアラビア④)
MbSに交代させられた(?) MbNことムハンマド・ビン・ナーイフ元皇太子が軟禁されているのでは?という疑惑が皇太子交代騒動前くらいからあるようですが、またまた出てきました。
野口雅昭先生のブログ↓でも読めます。ネタ元はNYTことNew York TimesとGardianのようです。
MbN元皇太子は、お父さんのナーイフ元皇太子(2012年に病死)から内務大臣を引き継いでテロ掃討に活躍していた方(ヨーロッパで起こるテロと違い、あまり報道されないけれど、サウジ国内はかなりテロや未遂事件が頻発しているらしい)で、アメリカのCIAやペンタゴン(国防省)ととても近い方だったそうです。
↑この席順を見ても、オバマ大統領のすぐとなりに座っているのはMbNであり、外相のジュベイルさんはMbNの背後に控えていてMbSは少し距離があることから、当時のMbNの権勢はひとかたならぬものだったことがわかります。
そんな権勢を誇ったMbNが皇太子解任された宮廷クーデターについてはこちら↓。
ここで内務省って何?MbNってどうしてそんなに力持ってたの?という方のために説明。
内務省とは、警察庁と防衛省の治安部隊が一緒になったようなもので、テロ対策や反政府組織の監視を行う、情報組織と特殊部隊を持つ、国内向けの安全保障部門です。
戦後の日本ではGHQによる武装解除とともに解体されてしまって聞き慣れない言葉ですが、戦前の日本には普通にあって、悪名高い特高こと特別高等警察なんかも内務省管轄だったのです。
MbNはそんな重要な組織を親子二代で抑えていたわけで、数千人王族がいると言われているサウジ国内でも、相当有力な王子で、皇太子に任命されるのも納得されるのではないでしょうか?
そんなMbNが軟禁されている疑惑。
サウジ側は思いっきり否定しています。
軟禁疑惑自体は、
の二つの可能性がありますが、わたし個人的には、実際軟禁かどうかはさておき、ゆるい出国禁止はしてるんじゃないかなぁと思っています。
皇太子解任劇の内情やMbNがどう思っているかに拘らず、MbS新皇太子の強硬路線に懸念を持つ西側の勢力って絶対ありますし、カタールや親カタール陣営、イランやトルコのメディアも彼を抱き込もうとするだろうし、彼が出国することで政治的に利用されることは目に見えていますからね。
あんまり手荒なことをすると元ボスに義理立てする離反者が内務省内から出るかもしれないので、宮殿内に軟禁ではなく、外出に監視がつく程度じゃないかと予想します。
アラブの民族性には、敵討ちとかそういうのはないかもしれないけど、内務大臣がMbNの甥の若い王子に変わったばかりだから新内務大臣は組織をそこまで掌握してないだろうと想像。(なんの根拠もないです。念のため)
なんとなくMbNは、皇太子に任命された時から
「俺どうせ繋ぎだから」
って思ってたんじゃないかなぁと思いますね。子どもが女の子二人で男の子がいないのも皇太子就任の決め手になったとか言われてましたし。
(そもそも、副皇太子なんて珍妙なものが出来たのもアブドゥッラー国王が病床にあり、サルマーンが即位する前年の2014年でかなり怪しいし、MbSが皇太子になった後、副皇太子というポジション自体がなくなっている!!!!)
MbN、お達者で。