エルドアン王朝の蠢動か、オスマン帝国再興か🇹🇷④-2(東西の結節点・アナトリアとトルコの地政学②)
先日のトルコの当事者インタビューに引き続き、トルコの地政学についての動画をご紹介します。
こちら、Caspian Reportというチャンネルは中東について多く取り上げてあり、英語もそんなに難しくないし、おすすめです〜〜
reddit(https://www.reddit.com/r/geopolitics/comments/4fnsc4/is_the_caspian_report_on_you_tube_a_reliable/)によると、Shirvan Neftchiという人が中心となった、アゼルバイジャンのグループがやっているチャンネル(所在地もバクー)のようです。
Caspian Report、というチャンネル名も、
というノリなのかも??
彼が管理人のShirvanさん↓。
フルタイムで働きながらYouTube Channelの運営をしているらしい。
アゼルバイジャンはトルコの兄弟国とは言いますが、たしかにトルコ人と区別がつかない😅
前会ったハザラ人のお兄さんとも相通じる親しみやすいお顔💗
全部の動画を見たわけじゃないですが、特に中東方面の情報収集能力も分析力も大変素晴らしく、英語も聞きやすいので興味のある方は是非どうぞ💗
こちらがCaspian Reportのトルコ特集。
ヨーロッパとアジアの双方から見たトルコの地政学を映像で解説してあります。
まずは、ヨーロッパから見たトルコの地政学。
- ボスポラス海峡とダーダネルス海峡の間のマルマラ海がトルコのHeartland
- 両海峡は非常に狭いため、黒海とエーゲ海の間を航行したい者にとってトルコは潜在的な影響力を示す(つロシア)
- Heartlandがマルマラ海であることから、トルコは海軍に力を入れている。
- トルコ共和国黎明期のアタテュルク政権は孤立主義的な性格があり、首都を開放的なイスタンブールから内陸のアンカラに移した
- しかし、隣接するバルカン半島とカフカスをソ連の影響下の共産主義勢力に囲まれたトルコは、隣国シリアやイラクの共産化を防ぐため、反共包囲網に加担せざるを得なくなった
- バルカン半島は実は山
- ブルガリアもめっちゃ山(碧山っていうブルガリア出身力士いたよね)
- そして、バルカンの山間には山で隔てられて様々な少数民族が住んでおり、互いに非常に仲が悪い
- トルコがバルカンを抑えるのは、放っておくと彼らがお互いに争い始め、ヨーロッパやロメリア(トルコのヨーロッパ大陸領)に飛び火するため。(くららの動画でもあった↓)
*ちなみに、エルドアンさんの母方の祖父?はロメリア出身のギリシャ人ムスリムという話もあり、エルドアンさんは結構流暢にギリシャ語のロメリア方言を話すそうです。
- クリミア半島は元々トルコのものだったが露土戦争で奪われた。(クリミア・タタールというトゥルク系の民族が住んでいたが、ほぼほぼクリミア半島から消えてしまった)
- クリミアさえ抑えればロシア海軍を封じ込め、兵站を遮ることが出来る戦略上の要衝。
- トルコ海軍の目標はクリミア半島を抑えることの出来る規模。だが、ロシアやNATOもいるので、今は取り返すつもりはない。
*クリミア・タタールの強制移住に関しては、グルジア出身だったスターリンが、タタール人をプロキシに使ったトルコの干渉を嫌った可能性もあるなぁと思います(ソ連史よく知らないので間違ってるかも。。)。
お次はアジア方面のトルコの地政学です。
- チグリス川・ユーフラテス川の水源はアナトリアの山地(トルコ領内のクルド人居住区)にあり、国内にダムを6000個も持っている。下流にあるメソポタミアの国々(シリア・イラク)は水資源確保のためにはトルコのいうことを聞かざるを得ない。
- アゼルバイジャンの重要性。アゼルバイジャンの油田からパイプラインを引きたいが、アルメニアが邪魔になる。
*参戦はしなかったものの、アゼルバイジャン・アルメニア間のナゴルノ=カラバフ戦争時、トルコ軍はアルメニア国境に張り付いて圧力をかけていたらしい。
- レバント地方はエジプトに至るための廊下。かつて中東に起こった数々の王朝も、レバントを制圧するとそこに止まらず、エジプトへと向かった。
- キプロスの重要性:かつての帝国はキプロスを失うとすぐに海外領を失った。
*エルドアン大統領のトルコは必ずキプロスを取りに来る、そんな気がしますね。
キプロス連邦化を狙うトルコの地中海戦略はこちら↓。
アルメニアについてはこちら↓。
ナイル川上流に絶賛建設中(2018年10月完成予定)のエチオピアのルネサンス・ダムを巡るエジプトvsエチオピア=スーダンについての先日のレポートは面白かったですが、同時に、水争いって今でもあるんだなぁと思いました。
トルコはたまたま強国だからイラク・シリアは何も言えないだけで、エジプトvsエチオピアみたいな力関係だったら相当揉めるだろうなと。
トルコのスーダンへの接近も、その辺の事情を織り込み済み(ルネサンス・ダム建設で水不足を懸念しているエジプトも、ダムが出来てしまえば上流のルネサンス・ダムとアスワンダム、アスワンハイダムと連動させなければ運用出来ない)でのエジプト牽制ですね。
エジプトもトルコも、人口増加に向かっているので水の確保が国の要。
トルコがクルド人を抑え込む必要があるのも、 水争いの面もあるんだなあと思いました。
このエントリーでも取り上げたエルドアンさんのセリフ、
エルドアン大統領「蛇口を握っているのは我々だ」
がガチすぎて震える😨😨😨
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