官製バブルが弾けるとき。(野口悠紀雄:『平成とは何だったのか?』)
改元おめでとうございます💖
少し時間を作って『平成を振り返る』みたいな番組を見ていたのですが、その中で、野口悠紀雄さんの『平成とは何だったのか?』という記者会見がなかなか面白かったので書きます。
- 理論の正しさについては分からないけれど、日本経済の実感についてかなり説得力がある
- 上念司と高橋洋一の空元気アベノミクス擁護
- NECと富士通の五年生存率は?
- Googleの中の人の話
- 銀行はもう一段階の大型統合が起こりそう。
- 日本とサウジの共通点
- ぬるま湯が徐々に煮詰まって行った平成、煮詰まった鍋が干上がる令和
理論の正しさについては分からないけれど、日本経済の実感についてかなり説得力がある
野口悠紀雄さんの記者会見の元になっている本はこちらです。
わたしは経済学の知識はほとんどないです。
ただ、日本の実質賃金がピークだった1997年からほぼ20年くらい定期的に欧州と日本を行き来していますので、日本の経済状態を欧州と相対評価して定点観測しています。
そのわたしが聴いて、この方の言うことは説得力があるというか
わたしの欧州との相対評価の実感と合ってる
なぁと思いました。
このエントリー↓で書いた、藤巻さんの言っていることともかぶってます↓。
長い動画見るのがしんどいって方はこちらの動画↓もあります。
令和時代にもし30年の負けを挽回できるとしたら、産業構造改革しかない。
そうだよね。
そして、もし構造改革出来るとしたら維新しかないんだよなぁ。
上念司と高橋洋一の空元気アベノミクス擁護
わたしはネトウヨ御用達の上念司さんと高橋洋一さんという経済評論家(←実は二人とも学者ではない!)が嫌いです。
どのくらい嫌いかというと、彼らがメインの番組は絶対見ない。
情報番組とかでゲスト解説で出てきたら早送り〜〜
だいたい彼らって大きな声(物理)で(声がうるさいのも早送りの理由)、
アベノミクスは正しいんだ〜〜
って全力で擁護してますけど、最近だんだん苦しくなってきた感がある。
というのも、
2%インフレ目標とやらで金融緩和しても実質賃金が上がらない
っていうのがいよいよ明らかになってきましたからね😂😂😂
多分理由は、大企業多くが既に企業価値が空洞化していて、いくら株価が高くても実態的に
アベノミクスの株価上昇=官製バブル
だってみんな薄々気づいてるでしょ?
アベノミクスの正体
アベノミクスの構造は、
- お金を刷る
- 日銀が一般行の持っている国債を日銀が回収する
- 国際的に競争力のなくなった企業の株を政府が買いまくる
ということです。
日本一国で考えたらリフレ派の言ってることも破綻なく聞こえるけど、それはあたかも憲法学者木村草太氏の9条護憲論と同じ。
現実に即して考えると成り立たないんです。
なぜなら、日本円の価値や日本国債の価値は日銀が決められるものではないからです。
日銀はお金を刷る量は決められますが、円や国債の価値を決めるのは国際市場なのです。
NECと富士通の五年生存率は?
富士通が45歳以上リストラで話題になっていましたよね。
NECはもっとやばいんじゃないかと思う。
2000年から2012年まで4台くらいNECの携帯を使っていたのですごく残念ですが、2016年頃に現在進行形でNECのWindowsXPを使っていた地元のお役所にSAMSUNGの最新型ディスプレイがたくさん置いてあるのを見て
「あ〜もう長くないな」
って思いましたね。
5年以内に解散する確率も50%くらいあると思います。
(内部留保がたくさんあるので倒産はしないけど、事業を続けるほど赤字になるので解散になる)
うちの電子レンジもSAMSUNGですが、機能がシンプルで使いやすいですよ💖
ただ、SAMSUNGも別に安泰じゃないと思います。
SAMSUNGはきっと、日本のSHARPがSAMSUNGに駆逐されたようにマレーシア辺りのニューカマーに取って代わられるでしょう。
Googleも10年後、いや、3年後でさえ、今みたいな一人勝ちだとは思いません。
Googleの中の人の話
「営業だけは日本人多いんですけど、基本的には社員の国籍はバラバラですね。いま自分がいるチームは、日本人は自分ひとりだけなんですよ。だから社内の会話も全部英語です。」
「Googleは1年以上いると、好きな国の支社に応募できるんですよ。日本は環境よくて物価も安いから、結構人気あるみたいですよ」
そういう彼も、来期はどこか外国で働きたいのだという。
「やーでも日本は家賃安くていいですよね。シリコンバレーの本社近辺なんて、家賃が40万以上とかしちゃうから、みんな市外からバスで2時間とかかけて通ってるらしいですよ。ま、そのバスもGoogle専用車らしいですけどね」
Googleはやっぱり現在の世界チャンピオン級の大企業なので特別国際的ですが、ある程度大きい国際企業だったら
- 中の人の国籍がバラバラで英語が共通言語
- 日本は物価が安い
はあるあるかなーと思います。
Googlerさんの最後の一言が印象的でした。
「10年後。Googleがまだ残ってるだなんて気軽な気持ちで考えてる社員なんて誰もいないですよ。世の中、そんなもんですから」
そうなんだよね。
加速主義の現代には安定なんて存在しないのだ。
銀行はもう一段階の大型統合が起こりそう。
例えばわたしは東京三菱時代に口座を作ったのですが、今は三菱UFJ銀行って言うんですよね。(東京が消えた)
最終的には三つくらいになるんじゃないですかね。
医療費抑制のために薬価が減額されて新薬も出ませんし、
国内製薬会社も5年以内に大幅な統廃合が起こりそうですね。
日本とサウジの共通点
このエントリーでも書いたんですが↓、
お金を積んでアメリカに守ってもらってたのにお金がなくなって、いつ見捨てられるか、その心配ばかりしている国です。
唯一違うのは国民の年齢人口分布ですが、サウジは生産年齢人口が多くても若者に労働の習慣がないのであんまり人口ボーナスのうまみはないのかもしれません。
ぬるま湯が徐々に煮詰まって行った平成、煮詰まった鍋が干上がる令和
ただ、日本人は伝統的に、悲惨な時代ほど文化的には爛熟するので個人的にはわりと楽しみです。
政治・経済的には期待できないけど、文化的にはわりといい時代になると思います。
AKB系の国内搾り取りビジネスのジリ貧の一方での米津玄師さんの大ブレイクはその先駆けかなと。(秋元氏は国内が沈んだ分JKTやBNKでがっぽり稼いでるようですね。)
CD屋が滅びてもアーティストが儲かるという産業構造改革が自然発生したってことじゃないかな?
カショギ事件についてはこちら↓