イタリアの積極的疫学調査、チャイナの経験から分かること。②（医療崩壊したイタリアとイランのデッドヒート💣）
前回は、コロナウイルス無症候〜軽症の不顕性感染者がスーパースプレッダー化しやすいことについて書きました。
今回は、イタリアの積極的疫学調査とチャイナの大規模症例研究のデータを参照し、死亡例の分析と、力技の全戸訪問で疫学調査が追いついてきたイランとイタリア、韓国の疫学的な比較などやっていこうと思います。
かなりとっちらかってます。
- EUへの命乞いだったイタリアのホットスポット封鎖
- イタリアの封鎖自治体が『欧州の武漢』になったのは、医療従事者が感染者になったから
- イタリアの本音は「ミラノを封鎖したくない」＝「経済を止めたくない」
- イタリアが国境封鎖を渋った煽りで欧州全体がパニックに
- イランとイタリアのデッドヒート💣
- イタリアと韓国のデータ比較から分かること
- 院内感染からの医療崩壊が死亡率を分ける
- 医療崩壊するとどんな先進国でもあっという間に武漢になります。
- チャイナが封じ込めに成功した理由：あの国の本質は計画経済
- キャンベル先生のYouTube速報
- 皆保険の国はおそらく医療崩壊しやすい
EUへの命乞いだったイタリアのホットスポット封鎖
このエントリー↓で、
イタリアの現状についてはこのZDFの動画で（ご覧の通り↓embedできないのでリンク←から観てください）説明されている通り、ホットスポットとされた6つの自治体に検問を設けて現在も封鎖しています。
が、事後的に考えると、この封鎖された自治体はEUに捧げられた生贄のようなものだったと言わざるを得ません。
EUの保健相会議でイタリア保健相は「国境を封鎖しないでくれ」と懇願した
コンテ首相はホットスポットの自治体を封鎖した後（前日までは一自治体の封鎖のみだった）、EUの保健相会議に保健相を派遣しました。
その会議で、イタリア保健相は
「イタリアはすでに厳格な対処を開始しており、心配いらない。EUの一体性を維持するためにも国境を封鎖しないでくれ」
と声明を発表しました。
ヨーロッパ各国で『イタリア人』『イタリアからの渡航者』の感染が続々発見される
ヒトラーが第三帝国（ローマ帝国の後継者）を名乗っていたのを見ても分かる通り、歴史的にどうしてもイタリアに甘いドイツ（＝EU）は（メルケルのようなドイツ人の田舎のおばさんがもっとも好きな旅行先は歴史情緒あふれるイタリア🇮🇹とトルコのイスタンブール）イタリアの要請通り国境を開放しないことにしましたが、一方で、ドイツを含む世界の各国（ヨーロッパ）イラン・イタリアからの渡航者の検疫を強化、結果的に、イタリア帰りの自国民やイタリア人の旅行者から多数の陽性
イタリアの封鎖自治体が『欧州の武漢』になったのは、医療従事者が感染者になったから
イタリアは医療先進国なのに死亡率が3%程度と高いのはなぜだろうと思っていたのですが、その理由は医療崩壊にあるのではないかと思いました。
同病院の看護師は２７日、ロイターに対し、同氏が来院する何日も前から新型ウイルス肺炎は広まっていたのではないかと思う、と語った。
この看護師は匿名で「最初の症例が確認される少なくとも１週間前から、肺炎の症例が異常に増えていた。こうした患者は治療を受けて帰宅している」と語った。
同氏がウイルス陽性だったというニュースが報じられてから数時間は、混乱を極めていたと彼は言う。
「当初、病院経営陣は我々を３０時間院内に留め置いた。それから自宅に戻って自己隔離に入るよう命じられた。そして結局、勤務に戻るよう言ってきた」と言う。「結果的に、コドニョ病院では患者よりも医療従事者の感染の方が増えてしまった」
医療従事者が感染し、隔離が必要な状態なのに街が封鎖されて医療従事者が足りず、感染した医療従事者から既に別の疾患で入院している高齢者や患者に感染し、結果的に死者がうなぎのぼりに増えているという可能性が高いです。
封鎖地域の医療崩壊は深刻なようで、実際、先ほどご紹介したZDFの動画では、重症患者と思われる患者を乗せた救急車は検問を超えて封鎖地域の外に運ばれていました。
イタリアの本音は「ミラノを封鎖したくない」＝「経済を止めたくない」
イタリアはホットスポットを封鎖し、封鎖された6自治体に対し無症候者を含めた積極的疫学調査を行っており、それ自体はある程度評価できますが、もう少し俯瞰的に見ると
「ミラノに旅行した」
と言うだけのヨーロッパ人や、
「（多分北部の）イタリアから来た」
イタリア人のコロナウイルス陽性者が他国で多数報告されており、封鎖されている自治体だけでなく、北イタリア、あるいはイタリア全体に感染が拡大していることが予想されます。
「ミラノ＝経済を止めたくない」と『北海道緊急事態宣言』の類似性
これはあくまで陰謀論の類ですが、イタリアの生贄封鎖を日本に置き換えると、『北海道緊急事態宣言』↓の裏には
「日本のエピ・センターは北海道ですよ！（東京＝経済を止めたくない）」
という官邸からの圧力があった可能性さえ感じます。
イタリアは休校措置を全国に拡大
歴史的に都市国家というか連邦国家であり、地方の独立性が高く、地域間での行き来がそこまで盛んでないイタリアは、ほとんどの感染者が北部三州（ロンバルディア州・ヴェネト州・エミリア＝ロマーニャ州）に集中していた（特にロンバルディアとヴェネト）のですが、今回休校措置を全州に拡大しました。
このニュースはBBCでもコロナ関係のトップで報じられていたようです。
イタリアから中国（ワォンジョウ？温州？というところ。ここからの移民だけで10万人もイタリアにいるらしい。）に里帰りした某中華料理店の店員8名が、チャイナ入国時に検査を受けたところ、全員コロナウイルス陽性だったとのこと。（驚異の陽性率😂これがクラスタ😂）
しかもこの人たちはモスクワやドイツ経由で中国入りしたとのこと。
日本のビジネス保守は
「チャイナが出処のくせに日本人を隔離したり入国拒否するとかケシカラン！！！」
って言うけど、実際社会全体で多大な犠牲を払ってウイルスの封じ込めに成功したチャイナにしてみれば、
『汚染国からのウイルス出戻りはご勘弁』
って思うのは当然だと思う。
実際、武漢以外の土地ではBackflow case（逆流症例）が問題になっているようです。
イタリアが国境封鎖を渋った煽りで欧州全体がパニックに
フランス第二の都市リヨンではエピセンターに近い北イタリアのトリノから3000人のユベントスファンがやって来る事態に↓。
3,000人のイタリア人サポーターがリヨンにやって来るとのこと。
ってかすでに続々とイタリアから到着していて、
ニュースでは、当のイタリア人たちがインタビューに答えていて、
なぜフランスは国境を閉鎖しないのかね、とか、
なぜ試合が中止にならないのかね、とか、
カメラの前でふざけて大袈裟に咳をするイタリア人とかもいまして。
その様子↓をご覧ください。
一部抜粋：
ユベントスファン："En France, il n'y a pas des virus. Pourquoi pas vous n'avez pas faire des controls?"（フランスにはウイルスがいないんだろ？じゃあ、何故検疫しないんだ？）
イタリア人の監督：「ウイルスはイタリアだけの問題ではない。ヨーロッパ全体の問題だ。イタリアは3500以上のウイルス検査をしている。フランスでは300しかしていない。それでどうしてフランスは安全だと言える？」
イタリア人ってグダグダのイメージがあるけど、監督になるような人はやっぱりスジが通ってて賢いよね。うん。同意。
実際、フランスもスイスも軍隊で集団感染が出ているようです。 （もちろん市中感染😓）
わたしの住んでる国の地元のスーパーも買い占め（？というか買いだめ？）が起きていて先週末夕方に近くのスーパーに行ったら棚がガラガラでしたね。
特に、缶詰とパスタのなくなりっぷりがやばいです😅
わたしは車に乗れないので常温保存のミルクやジュースなんかを少しずつ買い足していますが、
オーストラリアでもトイレットペーパーの買占めが起きているとのこと。
ちなみに、アメリカのワシントン州の感染ホットスポットはイタリア旅行に行った夫婦から芋づる式に見つかったようです。
イランとイタリアのデッドヒート💣
ではここで、3/4のイタリアとイランの感染者数のデッドヒートをご覧ください。
ヨーロッパ中央時間午前：イタリア2502人（79人）／イラン2336人（77人）
ヨーロッパ中央時間午後：イタリア2502人（79人）／イラン2922人（92人）
ヨーロッパ中央時間夜：イタリア3089人（107人）／イラン2922人（92人）
イランはハメネイ師の側近がコロナで死亡、ロウハニ大統領がウイルスのイラン全土への拡大したことを発表しました。
イタリアと韓国のデータ比較から分かること
イタリアの感染確認者・重症者・死者
キャンベル先生のYouTubeやJohn's Hopkins、BBCから数字を抜いておきます。
1687人感染確認、ICU管理140人、死者34人
2036人感染確認、ICU管理不明、死者52人
2502人感染確認、ICU管理不明、死者79人（この時点でPCRは20000検査施行とのこと）
韓国のデータ、検査数
韓国は5621人感染確認時点で10万件の検査を施行しているとのこと。
そして、既に60%が市中感染。
（日本は感染発覚者の90%くらい（チャーター便帰国者とその家族除く）が市中感染なので感染コントロールについては絶望的だと思う）
ちなみにウイルス発祥の地では
チャイナは毎週150万検査施行しているようです。
物量も強権も力技がほんとすごい😱
イタリアと韓国の死亡率の違いについて
韓国のデータを参照すると、死亡率は33/5600=0.6%ほどになりますが、
一方イタリアは死亡率107/3089=3.5%です。特に80代以上の死亡率は18.9%とのことです。
院内感染からの医療崩壊が死亡率を分ける
イタリアの医療は別に韓国や日本と比べて見劣りするものではないと思います。
日本でも看護師さんの感染から院内感染で亡くなった例があったと思いますが、
医療スタッフの感染からの院内感染で普通病床の患者さんがICU管理になる→ICUがパンク
が現在イタリアで起こっていると思われることで、多分武漢でも起こったのだと思います。
実際、中国政府の公式から
「武漢では少なくとも3000人の医療従事者が感染した」
と発表されていたようです。
ドイツはクリニックの従業員（受付なども含む）に定期的な検査を義務付ける（？）ようです。
ドイツの場合、最初の感染者が医者だったというのもあるかもしれません。（娘さんに会いにミラノに行って帰ってきて、念のために？検査したら陽性だったらしい。）
医療崩壊するとどんな先進国でもあっという間に武漢になります。
というか、中国は既に先進国だって事実が分かっていない人が、日本住みの日本人には多い気がする。わたしは実際に見たわけじゃないので断言できませんが、武漢の惨状は医療レベルが低いからじゃないと思います。
イタリアの状況を見て余計そう思いました。
チャイナが封じ込めに成功した理由：あの国の本質は計画経済
ヨーロッパはイタリアから火がついて既にどこもかしこも火を吹いている状態ですが、『人権』と『経済』が優先で、『防疫』は後回しになっています。
チャイナの封じ込めが成功したのは、チャイナは表向きは市場経済っぽく見えますが、本質的には共産党政権の計画経済だからだからなんだろうなと実感します。
スーパーで買い占めが起こり、ネットでもマスクが売り切れ状態の今になっても、外に出れば誰一人マスクしませんし、人に会ったら握手を求めないと臆病者扱いです。
わたしのような東洋人がマスクなんてしていたら地元のギャングに襲撃されます。
保健省などは注意を呼びかけているけれど、政府としては、未だにサッカーも中止できない。
（ぶっちゃけ、この件は日本人がウマシカだなとしか思わないけど。このご時世にわざわざそんなガラの悪いところに行って、追い出されると思わなかったのかな？😓）
キャンベル先生のYouTube速報
イングランドの大学の看護学部の元教授の方がほぼ毎日、世界のデータをシェアしてくださいます。
3月2日の先生は荒ぶっていて名言多し。
「社交儀礼のキスは止めて東洋人みたいにお辞儀すればいい」
3月4日、お住いの地域で二人の感染者（しかも市中感染）が出たとのこと。
喘息発作が出ていてとてもしんどそうです。
「Don't ask me about your medication! Ask your GP (general practitioner)!!!」
イギリスもイタリアと同様皆保険の国なので、医療崩壊の可能性が高いです。
アメリカの現状とCDCの出遅れについては
Pity about the delay!!!
とのこと。
インドは感染確認の公式発表は28人だけど、ジェネリック薬の輸出規制を開始。
皆保険の国はおそらく医療崩壊しやすい
日本政府の
「検査はしない」
方針は感染の実態をわかりにくくするので良くないけれど、
「軽症者はとにかく家に居ろ」
に関しては特に、皆保険の国であることを考えると正解だと思います。
アメリカのCDCが数百PCRしかしていない状況で他国にご講釈を垂れることができるのも、お金のない庶民が黙って家で死んでるからだと思います。
特に高齢者の多い中西部は、高齢者ほど律儀に毎週末教会に行くので一人でたら地区の教会全員感染とかなりそうです。
PCR受けるだけで3500ドルなんでしょ？高い😱
病勢が強い人ならPCR受ける決意する前に死んじゃうよね。
