イタリアの積極的疫学調査、チャイナの経験から分かること。⑦(陽性率10%のイタリアが韓国の確認者数を抜く)
今回はこれの続き↓です。
夜のニュースでイタリアの実際の封鎖後の情報が入ってきたのでシェアします。
- 遂にイタリアの感染確認者が韓国を超える。
- 此の期に及んでも危機感のないイタリア市民
- 責任を持つこと。
- イタリアの封鎖自治体が『欧州の武漢』になったのは、医療従事者が感染者になったから
- 事実確認:ミラノは武漢になった
- イタリアの感染拡大と医療従事者への感染はPCR検査をしたからではなく、しなかったから
- mismanagementの可能性
- 北イタリアからの脱出者のコロナ陽性率は最大10%:これからイタリアで起こるだろうこと
- 封鎖された武漢の動画↓
遂にイタリアの感染確認者が韓国を超える。
超優等生の韓国は週14万件検査しているらしいのですが、厳しい罰則の結果抑え込みに成功しています。
イタリアは1日何万件検査しているかわかりませんが、3月8日は日曜日にもかかわらず(イタリア人が日曜日にも検査業務をしていることに驚き😱)1500人ほどの感染確認がなされ、確認者数が韓国を抜きました。
そもそも、韓国はテグ周辺でのエピデミック(地域限定の流行:推定)で、イタリアは北イタリア全体でのパンデミックなので感染者の絶対数はイタリアの方が断然多いと思われます。
此の期に及んでも危機感のないイタリア市民
「みんな好きに旅行に行っているし、スーパーにも出かけている。学校がなくてやることのない子供がバスでショッピングセンターに出かけてウロついている。彼らは悪いことをしているわけじゃない。ただ、事態の深刻さを理解出来ていないだけ」
イタリア政府はもっと緊迫感のある映像をテレビで流すべきでは?とアナウンサー。
武漢の時のように、北イタリア封鎖令をリークで知った人たちが退去して南に脱出したとのこと😓
責任を持つこと。
8日だけで、133人の人が亡くなったイタリア。
The number of people to have died from the coronavirus in Italy has shot up by 133 in a day to 366, officials say.
The total number of infections leapt 25% to 7,375 from 5,883, according to the Civil Protection agency.
「残念ながら、封鎖される前に、たくさんの人たちが逃げ出してしまいました。でも、ここに残った人たちは今という非常時に対する責任を果たします。わたしたちにできることは、家にいることなのです」
ミラノは経済の中心地で、産業のない南イタリアからたくさんの人が職を求めて来ています。その人たちが、大挙して故郷に戻ったとのこと。
患者第一号を発見するのが遅すぎた
前のエントリーでも書いたし、このエントリー↓でも書いたのですが、
イタリアの封鎖自治体が『欧州の武漢』になったのは、医療従事者が感染者になったから
イタリアは医療先進国なのに死亡率が3%程度と高いのはなぜだろうと思っていたのですが、その理由は医療崩壊にあるのではないかと思いました。
同病院の看護師は27日、ロイターに対し、同氏が来院する何日も前から新型ウイルス肺炎は広まっていたのではないかと思う、と語った。
この看護師は匿名で「最初の症例が確認される少なくとも1週間前から、肺炎の症例が異常に増えていた。こうした患者は治療を受けて帰宅している」と語った。
同氏がウイルス陽性だったというニュースが報じられてから数時間は、混乱を極めていたと彼は言う。
「当初、病院経営陣は我々を30時間院内に留め置いた。それから自宅に戻って自己隔離に入るよう命じられた。そして結局、勤務に戻るよう言ってきた」と言う。「結果的に、コドニョ病院では患者よりも医療従事者の感染の方が増えてしまった」
医療従事者が感染し、隔離が必要な状態なのに街が封鎖されて医療従事者が足りず、感染した医療従事者から既に別の疾患で入院している高齢者や患者に感染し、結果的に死者がうなぎのぼりに増えているという可能性が高いです。
封鎖地域の医療崩壊は深刻なようで、実際、先ほどご紹介したZDFの動画では、重症患者と思われる患者を乗せた救急車は検問を超えて封鎖地域の外に運ばれていました。
イタリアは、感染の拡大に気づくのが遅すぎました。
この動画でイタリア人の老教授がおっしゃっています。
「イタリア政府はよくやっている。だが、患者一号を発見するのが遅すぎた」
それに尽きると思う。
ノーテンキ(?)というか、気候が良くて先の心配をしなくていい国民性がそうさせるのか。ウイルスへの心理的ガードが弱すぎた。
事実確認:ミラノは武漢になった
武漢でのストーリー
12月初旬に武漢でウイルスが発生(week0)
1月初旬にヒトーヒト感染が確認される(地元政府が対応せず)(week4)
1月中旬 武漢市内で医療を必要とする肺炎の人が増える(week5-6)
1月23日 武漢封鎖(その時には既に医療従事者に感染が広がっている。1100万人の市民の半分が流出)(week7-8)
ミラノでのストーリー
1月下旬 ドイツでウイルスが確認される(week0)
2月初旬 ウイルスが北イタリア(おそらくミラノ)に侵入(ドイツ経由だったので見逃される)(week0-1)
2月中旬 北イタリアで医療を必要とする肺炎の人が増える(week3-4)
2月21日頃 Patient 0が発見される(week5-6)
2月24日 ロンバルディア・ヴェネトの全校休校と一部自治体封鎖(その時には既に医療従事者にも感染が広がっている)(week5-6)
(3月5日 イタリア全校休校(week7-8))
3月8日 ミラノ含む北イタリア封鎖(北イタリアのPCR検査の陽性率が10%の市民の一部が流出)
いや本当、Patient 0をもう少し早く見つけられていれば。。
イタリアの感染拡大と医療従事者への感染はPCR検査をしたからではなく、しなかったから
イタリアは、2月初めにはチャイナ全土からの航空便を発着禁止しており、コロナウイルスについて、春節の団体旅行も大してきていなかったのであまり警戒していなかったと思います。
ドイツは国民性的に潔癖なのでかなりアジア人や中華系に過敏になったり(ナチの本領発揮)、ウイルスの分離や情報収集などやっていたようですが(有名なコッホ博士のコッホ研究所などでチームを編成している模様)、イタリアはそこまで神経質になったり、流行に対して準備したりしていたかどうか。
イタリアはインフルエンザ様症例にも、感冒症例にも肺炎症例にもPCR検査を行わず、結果的に、知らずに診療した医療従事者が感染し市中にも蔓延、医療崩壊してしまいました。
mismanagementの可能性
別の論客(ジャーナリスト)は、
「イタリアは感染者の扱いが雑。mismanagementが起こっているからここまで状況が悪化しているのではないか?(医療従事者への感染・市中での感染拡大など)」
と言っていました。
例えば、マスクをしていると感染者と思われるから意地でもマスクをしないみたいな風潮があるので、一面の真実はあるのかもしれません。
マスクが売り切れているのに誰も彼もがマスクをしている(らしい)日本と違い、
わたしの住んでいる地域でも、マスクは売り切れている(店でも通販でも)のに誰一人マスクをしていません。(この辺よく分からない😓)
不安になればなるほど意地でもいつも通りの生活をしようとする西洋人のよく分からないパワーを感じます。
北イタリアからの脱出者のコロナ陽性率は最大10%:これからイタリアで起こるだろうこと
残念ながら、イタリアでは北イタリア封鎖令をリークで知った人たちが大量に脱出してしまいました。
これからイタリアで考えられることは、流出した人たちによる他地域の汚染です。
このエントリーでも書きましたが、
民主主義・自由主義陣営はチャイナと違い、政治家に「自分さえよければいい」という自己中心的な人間の本能を抑える権限がないので仕方がありません。(わたしはチャイナには住みたくないですし、それでいいと思っていますが。)
これから起こるのは、イタリア全土での戒厳令(外出禁止など)だと思いますが、ニュースで見る限り、封鎖の当該地域の人ですら全然緊張感も危機感もないので、多分あまり守られないと思います。
何語で見たかも忘れたけど、なんかのニュースで太ったイタリア住みの女の子(推定20代)が
「コロナなんて怖くないわ。わたしは若いしかかってもどうもないと思うから」
って言って遊びまわっていて、ハァ?😱って思ったけど、実際わたしの周りでも
「自分さえよければいい」
人多すぎっていうか、チャイナも政府が超強権だから実行できただけで、そもそも武漢封鎖前に半分の人が逃げ出した(封鎖の意味ないじゃん😓)わけだし。
ヨーロッパの国はフランス以外は大体、地方自治が強いから、隣町で感染者が出ても学校が休校にならないとか、バイエルンは全校休校とか州や自治体によって休校ひとつとっても基準がまちまちです。
イタリア政府はよくやってると思うよ。
人は言うこと聞かないし、Patient0が遅すぎたけど。
封鎖された武漢の動画↓
全編中国語に字幕なのでながら見できないですが、とてもエモいです。