イタリアの積極的疫学調査、チャイナの経験から分かること。⑧（ベルガモの葬列と武漢のTrue Story）
こんにちは〜
休校になった子供（たち）の世話が大変ですが、元気です。
この記事↓の続きです。
こんなこと書いてたけど↓
これから起こるのは、イタリア全土での戒厳令（外出禁止など）だと思いますが、ニュースで見る限り、封鎖の当該地域の人ですら全然緊張感も危機感もないので、多分あまり守られないと思います。
イタリア全土の戒厳令は即日実現して自分でも驚きました。
というか、コンテ首相決断早いよね。（初期の封鎖の範囲が甘かったけど、タイミング的にはかなり早いと思った）
夜の街を隊列を組んで棺を運んでいくトラック↓
今日は軍のトラックでの棺の輸送が話題になった、ベルガモの葬列について書こうと思います。
- ベルガモはどうしてこうなったのか？
- ヨーロッパでは高齢者は救命医療の対象になっていない
- 同じく封鎖を免れたパドヴァも医療崩壊でチャイナが助け
- アメリカとイギリスの方針
- イタリア、スペインは国際会議場をコロナ患者用医療施設に改装
- 手術室をコロナICUに改装するノウハウ
- スペインはイタリア以上にヤバくなりそう
- 今明かされる武漢のTrue Story
ベルガモはどうしてこうなったのか？
ベルガモのドクターのインタビューでその理由について語られていたのでシェアします。
要約すると、
コドニョ（ロンバルディア州の南東部）で最初のアウトブレイクが起こった頃からベルガモにも感染者がいたけれども、ベルガモはロンバルディアでも北の方なので封鎖対象にならず、コドニョと周辺自治体が封鎖されている間に封鎖を免れたベルガモには感染が広がってしまった。
特に、初期の段階で老人ホームのナースに感染が見つかり、結果として、老人ホームでのクラスター感染が起こってしまったので死者が増えてしまった。
コドニョなどの初期から封鎖されている自治体では感染者の増加が減ってきているので今後に期待している。
とのことです。
こちらのTRTの動画↓にはベルガモの訃報欄（毎日10ページもあるそう）が出てきてとても悲痛な気持ちになります。
老人ホームでの死者はコロナの検査を受けていないので、実際にカウントされているよりも被害は大きいと言われています。
ヨーロッパでは高齢者は救命医療の対象になっていない
日本の記事を読む限りでは、80代の方にも全力医療で人工心肺（ECMO）を使ったりしているようですが、イタリアのドクターの証言やわたしの在住国の方針などを参照すると、新型コロナウイルスによる高齢者の重症肺炎はヨーロッパの傾向として、モルヒネ注射などの終末期医療・緩和ケアしかしないようです。
というのも、30代〜50代の重症肺炎患者（人工呼吸器でピークを乗り切れば助かる確率が高い）だけでもたくさんいて、限りある医療資源をそちらの救命に当てる為とのこと。
こちらは、イタリアでICUのベッドコントロールのディレクターをしているドクターのインタビューですが、
2020/03/10
2020/03/17
生存可能性（Life Expectancy）でトリアージして、生存可能性の高い患者をなるべくICUに収容するようにコントロールしているとのこと。
特に、人工呼吸器から離脱した後に生活にサポートが必要になる人は治療対象にならないことを明言しています。
この記事↓にある高齢者介護施設に入所している方は検査も対象外というのはそういうことだと思われます。
イタリアの保健省のコロナウイルス用HPはここ↓です。
毎日現地時間18時にコロナの情報が更新されます。
同じく封鎖を免れたパドヴァも医療崩壊でチャイナが助け
ベルガモと同様、初期から感染が広まっていたのに自治体ロックダウンを免れたパドヴァも医療崩壊で苦境にあるところにチャイナがすかさず医療チームを派遣しています。
大都会のミラノよりも周辺の中小都市の方が人口の割には高齢化・医療過疎が深刻で厳しい状況のようです。
キューバはイタリアの他にカリブ海諸国、チャイナは一省につき一カ国の支援国を決めてここぞとばかりに医療チームを派遣しています。
イタリアにはベネズエラの医療支援チームも派遣されているそう。
アメリカとイギリスの方針
ちなみに、UKの感染確認数／検査数は321/790だそうです。
陽性率50%って高過ぎひん？😂😂😂
どんだけ検査してないねん😓
UKは病院や首相が検査会社を視察したり、会見で呼びかけたりなど、意識向上の試みにはかなり積極的ですが、Social Intervension（社会措置）にはあんまり積極的でないイメージがありましたが、その歯切れの悪さが一週間も持たなかった『集団免疫作戦』とその後の民衆のPanic Buying。
何より、ロンドンは武漢と同じ人口規模の都市なのにベッド数が1/3って聞きました。
アメリカは、国境閉鎖・渡航制限・入国管理・マスクや人工呼吸器の増産などは国が担当するけれども、外出禁止や商店の休業などの戒厳令・行動制限については各州の州知事や自治体の首長に任せるとのこと。
ペンス副大統領（かっこいい😍）は、90歳の女性がコロナに罹患して持ち直した話で締めています。
が、アメリカってコロナウイルスの重症肺炎でICU管理の患者さんのうち、55歳以下の占める割合が40%でかなり若い人にも深刻みたいなんですよね。
トランプ大統領の演説も興味深かったです。（この人の英語本当好き💓）
Trump「初めての経験でどんなやり方が良いのか分からない。それぞれのリーダーがそれぞれに色んなやり方を試して後から評価するのが良いだろう」
これはわりと連邦国家共通のことかもしれません。
入出国の移動制限以外は休校なども自治体任せなのはドイツなどの他の連邦国家も同じです。
3月15日、メルケルさんは最後まで休校を決めませんでしたが、結局全州休校になりましたしね。
イタリア、スペインは国際会議場をコロナ患者用医療施設に改装
ミラノ、マドリッドはコロナ患者が病院から溢れてしまい、それぞれ国際会議場（東京でいうとビッグサイト？みたいな展示会などの行われる場所）を改装してコロナ用医療施設に変えるとのこと。
Authorities have been working to set up hundreds of intensive care beds in a specially created facility in the Fiera Milano exhibition center, but are still waiting for sufficient respirators and qualified personnel.
Former prime minister Silvio Berlusconi said on Tuesday he would donate 10 million euros ($11 million) to help equip the new center, joining a growing list of wealthy Italians offering funds.
In Rome, oil major ENI has paid for the multi-million euro conversion of the small, private Columbus hospital into a center for treating coronavirus patients, with the first sufferers being stretchered into the unit on Monday.
In Genoa, authorities are transforming a ferry into a hospital boat that they hope will be ready by Thursday.
なんと、 その改装費用として、ベルルスコーニ元首相が1000万ユーロ寄付するとのこと。（太っ腹！）
ただ、ハコが出来てもスタッフ不足は解消しようがないので、武漢が軽症者を体育館の仮設病床に収容していたように、治療施設というよりは隔離・経過観察の施設になるのではないかと思われます。
退職したナースやドクターを招集し、チャイナ・キューバ・ベネズエラから救援を求めている他、卒業試験を免除して毎週新しいナース・ドクターをリクルートしているとのこと。（それでも全然足りないと）
ミサ・結婚式・葬式などの宗教行事は禁止され、大聖堂などは閉鎖されていますが、魂の救済を求める人々の為に、司祭が教会を開けたままにしたり、病気の人の訪問をしたりしているとのこと。
司祭は高齢者が多いこともあってたくさん亡くなっており、3月22日時点で医師も18人亡くなっています。
手術室をコロナICUに改装するノウハウ
こちらはトリノのドクターのインタビューなのですが、
予定手術を全てキャンセルし、手術室（多分陰圧に出来るから？）をコロナ専用ICUに改装するノウハウをミラノのドクターたちから習ったとのこと。
10人に一人が入院が必要になり、その内の何割かが人工呼吸器が必要になるとのこと
インフルエンザより余程重症化率が高いです。
スペインはイタリア以上にヤバくなりそう
感染拡大が話題になり始めた初期から首都マドリッドの大学病院で院内感染が発生したというスペイン↓。。
（本人がのんびりしてるのがまた😓彼は中華系スペイン人のドクター↓）
（東大病院みたいなところでしょ？ヤバくない？😱）
って思っていたらあれよあれよと一日の死者が200名を超えてしまいました。
1分07秒〜 イタリアのミラノにあやかってか、こちらもマドリッドの国際会議場を医療施設に改装中です。
チャイナが武漢で体育館を収容施設にしていたのも、コロナ用のICUだけの新しい病院を建てたのも、今になってみると、
「そういうことか！」
と納得します。
さっすがチャイナ！中国五千年の知恵？孫子の兵法？
今明かされる武漢のTrue Story
あの、経済大事な中国共産党が、何故心臓部分である武漢を閉鎖し、大切な経済を止めてまで中国全体を休眠させたのか？
イタリアの動きを見ているとそれがよく分かります。
「コロナのせいで株が下がる」
「たかが風邪で騒ぎすぎ」
っていう意見を日本語のインターネットではよく見かけますし、日本の政府も、
「対策はしながら少しずつ経済を回していきましょう」
みたいなノリですが、ぶっちゃけ、全然甘いと思います。
日本は
- 湿度が高い
- 人間関係が希薄
という二大アドバンテージがあるのと早々に全国休校にしたので意外に持ちこたえているけれど、これから色々解禁してくると分からないなぁと思います。
新型コロナウイルスは、若い人にも肺炎を起こしますし、人工呼吸器管理が必要になります。
若い人は無症候性スプレッダーも多いので、社会活動が盛んな分初期の感染者も多くなり重症化する人の割合もそれなりになります。
その時に、感染爆発期に若い重症者がたくさん出て人工呼吸器や医療者の手が足りなかったら、若い方も多く亡くなります。
ここでポイントは、
国民に対して、健康と生命の保障が出来なくなった国家は国家として持たなくなる
ということです。
アメリカで銃がバカ売れ↓というのはそういうこと（無政府状態への備え）だし、
あの中国共産党が経済を捨てても封じ込めに踏み切ったのは、
共産党政権が持たなくなるから
ということに尽きます。
武漢で何が起きているのか？
何故そんなことをするのか？
チャイナの情報を見ながら不思議に思っていましたが、イタリアの状況を見ているとそれがよく分かりますし、イタリアのドクターたちも、
「今からパンデミックを迎える国は自分たちの姿を見て備えてくれ！俺たちを参考にしてくれ！」
と言っています。
日本のメディアは海外の情報が限られています。
外国語ができる人は、なるべく自分で海外情報を仕入れてください。
日本のメディアでは
という謎理論を展開する方がいますが、それはありえません。
イタリア全体の最初のケース（コドニョの男性）と同様ベルガモも、最初の患者（老人ホームのナース）が診断されたのが遅すぎました。
検査をしないことで感染の広がりに気づかず、思わぬところから院内感染→アウトブレイクというパターンがよく起こります。
