コンサバ主婦のひまつぶし

国際関係とか動画の感想とか。

ロシアのウクライナ侵攻まとめ①(兄弟は他人の始まり、ソ連の亡霊・プーチンの大誤算)

子どもが小学校で
「先生がオリンピックが終わったらロシアがウクライナを攻めるって言ってた」
と言っていたのですが、実際に始まってしまいました(8年ぶり2回目)。
実際、あるだろうとは思っていたけれど、クリミア〜ドンバスの南東部が主戦場だと思っていたので、まさか全土で全面戦争になるとは。
ドンバスは2014年から8年越しの紛争地帯だけど、キエフ(人口280万)やハリコフ(人口144万)も同時に攻める(だけでなくウクライナ全土で戦線拡大)なんて強気すぎるし、どう考えてもたった19万の兵隊でやれることじゃないのにプーチンは何を考えているのか。

ロシアでは

「机の距離は心の距離、本当に大事なことは耳打ちしてくれる(by中村逸郎)」

らしいけど、最新閣僚会議(ショイグ防衛相とゲラシモフ参謀総長)のこの距離感、プーチンー側近の関係、マジであかんのかも。

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プーチンも想定外?:意外に善戦するウクライナ軍と意外に軟弱なロシア軍

既に8年間戦争してるというのもあるかもしれないけれど、質量ともに大きく劣るウクライナ軍ですが、2/27時点でまだキーウ(キエフ)もハリキウ(ハリコフ)も陥ちておらず、ロシア軍はご自慢の空挺部隊air-borne)を無駄打ちしてしまう(航空優勢が取れてないのに焦って投入し、着地次第捕縛されたり、場所を間違えて?戦略的な意味のない場所に一個隊が降り立ったり…)など、想像以上に損耗が大きい状態のようです。

プーチンの発言にも日に日に焦りや苛立ちが目立ってきています。

また、ロシア軍は想像以上に貧乏なようで、装備が貧弱で、戦闘員のお粗末さ、司令部の作戦の雑さも目立ちます。

多分、ちょっと脅せばあっさり白旗挙げて無条件降伏すると思っていたんだろうなと思う。

圧倒的装備不足
  • 巡航ミサイルが足りず、初手でウクライナ全土の空軍基地の戦闘機の一部しか破壊できなくて航空優勢を取れない
  • 軍用車両が足りないので先頭の数台だけ装甲車で後列は普通の白いバンにガムテープで部隊の標識をマーキング、もしくはスプレー。
  • ガス欠で動けない戦車ウクライナ市民が幹線道路で立ち往生するロシア軍戦車を発見。「どうしたの?」と聞くと「ガス欠で戦車が動きません」と。「どこに行くの?」と聞くと、「キエフに行けと言われたが、ここがどこで、どっちに行けばキエフなのかわからない」と。(素直に答えすぎて軍規を疑うレベル…)
  • マニア垂涎の骨董戦車部隊ウクライナの地方の小さな町に現れたのは旧ソ連製(ベトナム戦争時のモデルが中心)のアンティーク戦車の一小隊(だけ)。戦車は一応動くが隊も小規模だし特に何もできず撤退。
  • 旧ソ連製の骨董品ミサイルスメルチミサイルとかいう、重厚な(?)ロケットが公園の真ん中に突き刺さっているのが発見される。 新式の巡航ミサイルなどの弾切れ疑惑
  • ロシア軍の撃破・放棄車両が戦車や自走砲などではなく、装甲車や普通車両ばかり都市向けの先行部隊に治安部隊(武装警察:親衛軍というらしい)が多かったのが原因?新兵やチェチェン民兵・ワグネル工作員など、使い捨てっぽい人員も先鋒として大量投入されているので作戦の可能性もあるけれど、戦力19万を動員するには車両が足りないので実際に軍用車両の全戦力に占める普通車両の割合が高いだけかも。

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人員のお粗末さ
  • 困惑して泣く十代のロシア軍捕虜たち:いくつかの動画を見たのですが、捕虜になっているロシア兵が十代の子供ばかり…。「演習の予定地が変更になって移動して来たら、着いてから上官に『ウクライナ人を殺してこい』と言われて困惑している。ここはどこですか?」みたいなノリで、自分たちがどこにいるのかも、戦争が始まっていることさえよくわかっていないような状態の子も。実際ロシアはベラルーシと共同で長期の軍事演習中だったし、末端の兵士は半ば騙し討ちのような形で戦地にぶち込まれているのかもしれない。ロシア兵を捕獲したウクライナ人の村人たちもそれは承知なのか、「あんたたちみたいな子供がたくさん捕まってる。死ぬか捕まるか今選びなさい」みたいな感じ。
  • 田舎の治安部隊が戦地迷子状態:地方(捕虜になった人の例はロシア中部のモンゴル寄り)の治安部隊(武装警察)を一個隊(その人の例では80名)単位で連れてきているが、武器を持ってはいるが戦闘経験のないお巡りさんなので、一般車両で派遣され、土地勘もないのでさまよっているうちに殲滅されたり捕虜に…
  • 工作員バレまくりウクライナ正規軍に混ざっているというロシア人の工作員(軍事派遣会社ワグネル?)がバレまくり。おそらく、訓練不足や具体的に何をするかよくわからないままウクライナ軍に潜伏しており、上の指示がないままことに及んだので挙動不審な行動を取っていたのではないかと(個人の感想です)。
  • 鉄砲玉要員のチェチェン軍が寝返るカディロフという『山賊を絵に描いたような』男を首領とする極悪非道のチェチェン民兵一万人がいきなり市街戦の前線に投入され一同胆を冷やすが、無辜の一般人の殺戮・略奪はお手の物の彼らも正規軍とのガチの戦闘は経験が薄く、いきなり副頭領を殺されて戦意喪失。「これからはウクライナ人と一緒にロシアと戦う」と寝返り宣言。曰く「ウクライナ人はみんな武器を持っていて俺たちを撃ってくる」と。
  • ベラルーシ軍の動揺ベラルーシでロシア軍と共同でウクライナを包囲しているベラルーシの兵士たちの中に動揺が広がっているという話も。わたしが見たのは、どうせ戦うならウクライナ側でロシアと戦うと越境してきたベラルーシの脱走兵の動画脱走は重大な軍規違反で軍法会議ものらしく、どうせ軍法会議にかけられるなら、ということなのかも。フェイクかもしれませんが、ベラルーシの若者は反体制デモとかしているし、動揺自体はあってもおかしくないかなとは思いました。(もはや義勇軍もあるらしい↓)

カディロフやベラルーシは情報自体が怪しげだし、フェイク動画やフェイク情報がたくさんあると思うので誤情報だったらごめんなさい。

司令部の作戦の粗雑さ
  • 空挺部隊の無駄遣い①:アントノフの攻防。夜明けの第一撃でアントノフの飛行場(有名な旧ソ連系飛行機ブランドのゆかりの地らしい)を制圧したものの、昼に奪還され、空挺部隊で再制圧するも、後詰不足で再奪還される
  • 空挺部隊の無駄遣い②:橋梁占拠目的に空挺部隊を降ろしたものの、ターゲットの橋を間違える

2/26時点の最新の英国国防省の発表がこちら↓

電撃戦でぶっ叩けば言うこと聞くと思っていたのに、電撃戦の最初の一手が今ひとつ力不足だったのと、前述の通り、ロシア側の兵士の士気・練度に大分問題がありそうに思います。

 

3日目時点での状況証拠から判断すると、ロシアの侵攻はどう考えても大失敗

ロシア軍の陸軍兵力(軍事派遣会社の傭兵含む)・装備・運用力・兵站全てに問題があり、シリアなどの紛争介入で頑なに空爆しかしなかった理由が分かった気がする。

既にウクライナを包囲していた15万のロシア軍兵力の半分がウクライナ国内に投入されてこの状態なので、15万というのはかなりいろんなイレギュラーな人員で水増しされているのでは?と思います。

SNSで回ってくる動画のロシア兵捕虜たちはどう見ても十代の子どもだもん…。

本当かどうかは謎ですが、ロシア側メディアから、母親たちの訴えがありました。

曰く、

「義務兵役に行っていた息子がいきなり前線に送られているようだ。息子はどこにいるのかわからない…どうなっているの?」

ソ連時代にもありましたよね。

手ぶらの(?)新兵を後ろから撃って進軍させるとかいう超戦術

ソ連国防人民委員令第227号 - Wikipedia

やばすぎる伝統…。

本当、捕まっちゃったロシア兵のビデオ4本くらい見たけど、どの映像でも写っていたのは小さなおどおどした少年兵でした。

兵士と呼べるかどうかもわからない、自分がどこにいて何をすればいいかわからないような子や、

「上官が僕たちにウクライナに行ってウクライナ人を殺して来いと命じたので来ましたが。困惑しています…」

という捕虜の子達。

ロシアのママたちは東アジアのママに劣らぬ超教育ママなので、超少子化だし、比較的過保護育ちの子が多いんだよね…。

上官に撃たれる前に捕虜になって良かったよ…。

ロシアは少子化で兵役が回らないから契約延長して計3年兵隊やったり、女子を入れたりしてるけど、兵役のせいで結婚適齢期の男子の供給が少なく、さらにアル中(ウォッカ等々)とオタク(鬼母が多いから?)が多くてまともな男子の割合が少ないので、婚姻数が減少し、さらに国際結婚するロシア人女性が多い→ますますロシア国内は少子化に。

という悪循環があると思う。

 

ウクライナ軍は超やる気

ゼレンスキーウクライナ現大統領

FOXによるゼレンスキー氏の紹介↓

Ukraine showdown: Volodymyr Zelenskyy challenges Vladimir Putin | Fox News

ち○こでピアノを弾く芸が持ちネタのコメディアンで、冴えない中学校教師が汚職批判のビデオがSNSでバズってある朝突然大統領に当選するというドラマの大統領役で大ブレイクしてそのままマジで大統領に当選した二児の父で44歳らしい。

ユダヤ人で、祖父母のうち三人はナチスに殺され、祖父は兄弟三人共ソ連赤軍兵士として戦い、お祖父さんのみが生き残ったとか。(昔の人だからなのか土地柄なのか、壮絶…)

大統領になった経緯はハチャメチャだけど、ビデオメッセージの伝え方も上手で、逃げず騒がず自ら武器を持ち最後まで戦うという姿勢も立派だし、ヒロイズムもリーダーシップもあって、ウクライナという国が今後どうなろうとも、国の神話の中で語り継がれる英雄になると思う。

https://www.youtube.com/watch?v=HbmZrzN3WFE

キエフ市長クリチコ兄弟

キエフ市長は兄弟揃ってプロボクサーのクリチコ氏。

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兄弟で武器を取り、自ら市街戦の陣頭指揮を取っているようです。

 

ポロシェンコ前大統領

失脚して国外移住していたけれど、母国の危機を前に帰国し、カラシニコフを持って戦うとのこと。

大きな体に似合わず、プーチンに睨まれた蛙みたいな気弱なリーダーだったけど最後の最後で男を上げましたね😌

無事でいてほしい。

プーチンの非合理は『ソ連復活』の初志貫徹説:

どう考えても、ウクライナみたいな大国(東欧ではポーランドと並び、最大の大国です)を力で殴って完全に支配するのは無理なのに、どうして戦争を始めてしまったのか?

目の前で解体した『ソビエト連邦』を自分の目の黒い内に再建したい

あると思います。

 

プーチンは『ウクライナを制圧する』という結論が先にあっていちゃもんをつけているだけ

なので、

「ゼレンスキーがロシアを刺激してプーチンを怒らせ、国民を巻き込んだ。ゼレンスキーが悪い」

というのは検討ハズレだと思います。

ロシアからウクライナへのウエメセも敗因の一つ?

そもそもウクライナというのは『ど田舎』みたいな意味らしいし…ロシアの『周辺』マージナルゾーンなのかなと思いきや、ウクライナキエフ周辺はルーシドニエプル川周辺の土地?)の本家本元らしい。

ウクライナ人のグレンコ・アンドリーさんが

プーチンは暴力と戦争しかありません。でもプーチンだけじゃなく、ロシアは歴史的にず〜〜っと、ず〜〜っと、戦争して、領土を拡大して、また戦争して、負けて、また少し力がついたら戦争して、その繰り返し。それ以外に出来ることってないんですから」

みたいなことをおっしゃっていて、なるほどな〜と思いました。

プーチンだけじゃなく、ロシアの上層部全体がそうなんだと思うけど

「雉も鳴かずば撃たれまい」

みたいな風に思っていたし、ちょっと殴ったら言うこと聞くと思っていて、それで初動で治安維持部隊(武装警察)を送り込んだし、早々に弾切れ起こしてるんじゃないかと思う。

ウクライナを征服することは覚悟はしていたけれど、長期戦になる覚悟も余力もないんじゃないかという状況証拠が出てきている気がする。

こういう世界観なのかなと。

 

この戦争の終わり方

プーチンは、

  • 電撃戦で短期決戦になる
  • ウクライナ人はすぐにビビって無条件降伏する
  • 『ほとんど我々』の土地であるウクライナを『回復』することは、双方に多少の犠牲を伴っても許容される

という考えで賭けに出たけれど、侵攻の工程に想定以上の時間がかかっており、しかもロシア全国各地で(モスクワ・サンクトペテルスブルクなどの大都市だけでなく、地方でも)反戦デモが起きています。

これは、もし、ウクライナに住んでいたのがシリア人とかだったらまた全然違ったんだろうなと思います。

今回は準同胞(実際人の出入りが多くて親戚同士・友人同士のウクライナ人・ロシア人は多いらしい)のウクライナ人だったからっていうのがあると思う。

ロシアが2014年にクリミアタタールが多め(30%くらい)のクリミア共和国を併合したときは拍手喝采プーチンの支持率爆上げだったらしいし。

ただ、『同胞』という部分でウクライナ併合の妥当性を確信しているように見えるプーチンは、『同胞殺し』への国民の反発を相当甘く見ていたと思います。

実際のロシア軍の損耗の激しさが明るみになるのも時間の問題だし(それまでウクライナ軍が持ちこたえられるかは分からないけど)、そうなったときに、政権が持つのかは分からないなと。

個人的には、ロシア国内の騒乱が大きくなって政権が持たなくなるか、トルコ・アゼルバイジャン辺りかボリスジョンソンの英国軍か、第三国の部隊が後詰に入って(実戦に入らなくても、後詰に入るだけ、あるいは、ロシア軍の戦況によっては入るムーブするだけで効果あると思う)講和の協議が始まるというのが可能性が高いかなぁと思います。

ただ、トルコの動きは思ったよりもかなり慎重で、ロシアを利することは決してしないけれど、表立って敵対もしないという感じで、様子を見ているようです。

露土戦争の危険ももちろんですが、トルコリラの大暴落などでエルドアン大統領への支持が磐石でないのも理由かもしれません。

 

プーチンとロシア軍が末期症状すぎて、ソ連軍ベルリン包囲の時のヒトラーを思い出してしまう。

何かで

ヒトラーヒトラーユーゲント(実質子供)と国民突撃隊(第一次世界大戦の従軍経験者のおじいちゃんの集団)を『4.5万人の我が軍』と呼んでいたが、その実際は老人と子供なのである。中には病気や障害で動くことすらままならないものもいた」

みたいなのを読んだか映画で観たんだけど、独裁者って最後は誰も本当のことを教えてくれなくなるから正常な判断が出来なくなるんだろうなぁ。

政界に登場した頃は利口そうに見えたプーチンソ連復興妄想に取り憑かれた老人になったのだなと思うと時の流れの速さを感じる。

ソ連を知らない世代が既に親になっている今なお、あの人たちは『ソ連』を生きているのだなと。

KGBウラジーミル・プーチンは結局最初から最後までソ連の亡霊だったんだなぁ。

 

ソビエトロシアでは戦争がプーチンをする。

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上の写真はロシアの大統領と防衛閣僚、下の写真はウクライナの大統領と防衛相のツーショットらしく、

「親密さが対照的だよね」

と話題になっていました。

 

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