コンサバ主婦のひまつぶし

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ロシアのウクライナ侵攻まとめ④(黒海を巡る、トルコとロシアの動き②オデッサ機雷騒動とイスタンブール停戦協議の巻)

今日もウクライナ情勢の続きです。

今回は4月3日までの投稿を元にお送りします。

ロシア軍のボロが出ながらも膠着状態が続いたままだったキエフ攻防戦が打ち止めになるタイミングで、いよいよトルコが動き、イスタンブールで対面停戦協議が行われました。

エルドアン大統領は開戦に先立って娘婿の会社謹製のバイラクタルTB2を提供(「ビジネスで売っただけ」と言っているけれど、身内の会社なんだからエルドアンにその気がなければ絶対許可出ない)したり、開戦直後から赤新月を送り込んだりウクライナを支持はしていたけれど、年間1000万人超えのロシア人観光客(ウクライナ人観光客ももちろん、百万単位でいる)に経済を支えられてもいるので特に通商禁止などの制裁はせず、軍事援助も遅いしなんでかなぁと感じていましたが、ついに動きました。

 

 

 

 

このエントリー↓で、揚陸艦スタンバイでロシア海軍オデッサ上陸作戦秒読みか?みたいな感じがありましたが、

ロシアのウクライナ侵攻まとめ②(黒海を巡る、トルコとロシアの動き①露土戦争の再来?の巻) - コンサバ主婦のひまつぶし

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オデッサに辿りつかないまま、この船団のうちの数隻は停泊中のベルジャンスクで破壊され、ご自慢の揚陸艦まで炎上してしまいました。

RTで揚陸艦上陸のイメージビデオを流した二日後(?)だっていうのが物笑いの種になっていましたが、実際問題、ボスポラス海峡を閉鎖されて援軍の望めないロシア海軍にとってこの損失はかなり大きく、現在、ロシア軍のオデッサ上陸作戦はほぼ実行不可能だと考えられます。

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自前の機雷がどんぶらこしてロシア軍のオデッサ上陸作戦が失敗?

そもそも、上の配置になる以前、2月24日の開戦時点で、ロシア海軍の船団は黒海オデッサ近辺をうろうろしており、黒海南下中のトルコ他船籍の貨物船を見境なく威嚇射撃(が失敗して誤射、あるいは撃沈)したり、蛇島(オデッサのすぐ近くの島↓)のウクライナ国境警備隊を全滅させたりしていました。

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スクランブル発進したルーマニア(*NATO)の戦闘機の撃墜疑惑(救助のヘリとともに黒海に墜落)もありました)

ところが、そんなイキリ散らかしていたロシア海軍がある日突然クリミアに帰港し、待機し始めたのです。

そのきっかけが多分こちら↓。

2月26日時点で播かれた機雷が3月21日時点で海流に乗ってどんぶらこしているとの情報↓

トルコ語の速報↓

www.afpbb.com

黒海(Black Sea)沿岸に敷設した機雷が、トルコのボスポラス(Bosphorus)海峡や地中海にまで漂流する恐れがあると警告した。
 ロシア連邦保安局(FSB)は「わが国による特別軍事作戦の開始後、ウクライナ海軍はオデッサ(Odessa)、オチャコフ(Ochakov)、チョルノモルスク(Chernomorsk)、ユズニー(Yuzhny)の港周辺に機雷の障壁を展開した」と指摘。機雷は20世紀前半に製造されたもので、「老朽化」していると述べた。
 荒天により一部の機雷のケーブルが切断され、風や潮に流されて現在は黒海の西側を浮遊していると説明。潮流を考えると「機雷がボスポラス海峡や地中海に向かって流れる可能性は排除できない」との見解を示した。

海流がこんな感じなのでボスポラス海峡を通って地中海まで流れていく可能性ありらしい。

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www.hurriyet.com.tr

4月3日付の続報↓によると、

www.dailysabah.com

既に機雷はボスポラス海峡に到達しており、こんな感じ↓でトルコ海軍がヘリや人海戦術で機雷掃海作戦を実施しているようです。

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機雷を敷設したのはウクライナ軍なのか?それともロシア軍なのか?

どっちも有り得ると思います。

播かれたのは第二次世界大戦中のソ連製の機雷(ミリオタ悶絶の超絶アンティーク)で、ウクライナ軍・ロシア軍共に所持しているものだそうです。
ただ、骨董品すぎて機雷網というのか、機雷同士をつなぐ綱が腐っていて(?)嵐でぶちぶち行っちゃったらしい。

(多分、中の火薬も腐っているので不発弾も多いと思われ。)

動機としては、護岸や敵方の上陸阻止の意味でウクライナ軍(第二次世界大戦時に日本軍は日本全国津々浦々に機雷敷設して戦後しばらく漁に困るくらいだったらしい。)が播くのは有り得ると思います。

ただ、ウクライナ海軍は開戦時点で壊滅しており、最大艦船も修理中のまま自沈しているほどなので、個人的には、そんなウクライナ軍に機雷を播く能力や余裕はないんじゃないかという意味で、ロシア軍かなーと思います。

 

何故、ロシア軍は機雷を撒いたのか?

問題はこれです。
揚陸艦二隻も準備して、今から上陸作戦しようって時に、なんで機雷を播くのよ…ってこと😂

結局事実上陥落して実行されませんでしたが、一時期外交張り切りスタのフランスのマクロン大統領(選挙直前株上げキャンペーン中)

「トルコとギリシアとフランスの参加国共同で激戦地マリウポリの救出作戦をする!」

とぶち上げて話題になっていました。

France plans Mariupol evacuation as Russia accused of abducting 15,000 people

前の記事でも書きましたが、ウクライナ黒海沿岸は旧オスマン帝国領で、黒海はトルコの裏庭です。

毎日のようにプーチンと電話はしているけれど、特に何も成果のないマクロンは、選挙前で何らかの目に見える成果が欲しい。
基本的にフランスはウクライナに何もできないけれど、トルコとギリシアオスマン帝国時代から住んでいる母語を同じくする同胞や、その同胞たちとのビジネスの関係もある!というわけで、ギリシアとトルコの自国民(というかかつての同胞)救出作戦にあわよくば乗っかろうとしたようです。

ウクライナ黒海沿岸はトルコの権益

ウクライナ黒海沿岸は旧オスマン帝国領なので、トルコ系・ギリシア系の他に、タジク系やクリミア・タタールなどのオスマン帝国時代からの住民がいるし、場所的にも近いので今でもめちゃめちゃ交易がある。

全体としては数は多くないけれど、モスク(中には、トルコの政府が出資して作ったものもありそう←東京ジャーミイみたいなの、ヨーロッパにはトルコ人が多いのでたくさんあります)などもあり、マリウポリでモスクが攻撃されてトルコ国民含む数十名が死亡したんじゃないかという速報が出たりもしました(これは一応誤報だった?らしい)。

ウクライナ黒海沿岸をぐるっとロシアが取ると、裏庭を不倶戴天の宿敵に取り囲まれて気持ち悪いのはトルコ。

自国民も住んでいて看過はし難かったマリウポリは、既にロシア軍に包囲されていたのもあって介入できなかったけれど、ロシア軍がオデッサ方面に兵を向けてくるとなると、ウクライナ軍と話をつけたトルコ海軍がオデッサに上陸っていうのは有り得る話だなあと思っていました。

なので、ロシア軍はオデッサ上陸作戦を実行するに辺り、トルコにビビり散らかして機雷を撒いたのかな〜と考えます。

結果、自分たちも上陸できなかった(実際は上陸しても撃退されたと思う)けれど、無数の機雷が海流でトルコ側に向かってくるので、トルコ海軍も身動きが取れず、イスタンブールでの停戦協議開始が遅くなったのかなと。

オデッサにトルコ海軍が上陸したら、その時点でイスタンブールで停戦協議になってたと思うけれど、キエフ攻略戦が明らかな失敗に終わるまで事態が動かなかったわけですから。

(トルコ軍のオデッサ上陸を許すほど、ウクライナ側がトルコを信用していないということかも知れないし、ロシアを怒らせるリスクを侵してまでウクライナに助ける価値がないというトルコ側の判断かも知れない)

 

チャヴシュオール外相大活躍!

チャヴシュオール外相は小柄でニコニコ可愛らしい印象(うちの子の同級生のパパとかもこんな感じ)だけど、毎日のようにあっちこっち行って確か、キーウにも行って話をまとめていて、よく出来る方なんだろうな〜と感心しました。(エルドアン茶坊主とか思っててごめんよ〜〜)

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トルコはロシアのオリガルヒを歓迎する、っていうのも、

www.cnbc.com

実際問題ロシアのオリガルヒ(や脱出した政府要人)がどんどんイスタンブールに集結していて、他に行き場がない彼らを追い出すわけにもいかないし、前述のように、年間1000万人のロシア人観光客(と数分の一のウクライナ観光客)に経済の一端を支えられてもいるし、国内にはトルコ夫×ロシア妻の国際結婚カップルやその子女であるロシア国籍者が数十万人単位(50万人超え?)で既に存在しているわけなので、EUに入っていないのを逆手にとってこういう出方をするのもトルコの戦略としては有りだと思う。
近すぎる大国同士、アメリカ以上にロシアとの一触即発の緊張感があるわけで。)

いつも機嫌が良くて人懐っこいタイプで、ロシアのラブロフ外相とは対照的だよね。(チャヴシュオールさんとイラン外相とキャッキャするラブ爺↓)

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しかもラブ爺、あんな顰めっ面して、元女優の愛人と、ロンドンのソーシャライツの義娘がいるらしいからね😂

【独自】“プーチン側近”ラブロフ外相、愛人との密会場所が渋谷区内に マネロンの舞台にも(抜粋) | デイリー新潮

ラブロフさんってエルドアンさんと同じジョージア系らしい。そういえば顔の系統が似てるかなぁと思いました。(ヨシフ・スターリングルジア人らしいね)

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