ロシアのウクライナ侵攻まとめ③(ウクライナ側の多国籍志願兵とロシア軍の増援、そしてスパイ合戦)
今日はこちら↓と
こちら↓のエントリーの続きです。
3日間の訓練の後即前線へ:ウクライナ人志願兵たち
ウクライナ政府の発表では、すでにウクライナ人の10万人以上が志願兵として戦っているとのこと。
この写真の男の子たちは18歳らしい↓。
避難先で三日間のトレーニング(銃の撃ち方とか)を受けて、即戦場へ送られるそう。
軽装過ぎてサンドイッチ買いに行く時のアメリカ人の方が重武装なレベル…とか言われていました。
スニーカーって…
所謂『欧米』からの義勇兵が続々現地到着
居ても立ってもいられなくて…。と次の日にはアメリカからワルシャワに飛んだ元軍人↓。
Some U.S. veterans are looking to join the fight in Ukraine, emboldened by President Volodymyr Zelensky's call for volunteers, though the U.S. has long discouraged its citizens from becoming freelance fighters because of the risk of unintended escalation. https://t.co/OVDawElcBR
— The New York Times (@nytimes) 2022年3月5日
彼の尊い善意は一ミリも疑わないけれども、
「この『居ても立ってもいられなさ』って所謂サイレント人種差別では?」
という意見も散見されますよね。
「私たちみたいな青い瞳の金髪の人々が攻撃されるなんて」 ウクライナ報道に見える“人種差別” | イラクやシリアなら戦争が起きて当然なのか | クーリエ・ジャポン
12000人が現地入り!というTweet↓には
#BREAKING Over 12000 foreign volunteers fighters arrived in Ukraine 🇺🇦 to fight against Russian troops says President Zelenskyy. All of this first batch of troops are ex military. An unnamed government source, said they have had over 120000 applicants from all over the World. pic.twitter.com/fnUOTRfLua
— Paul foley #JohnsonOut_41. #Ukraine_11 (@fachfarm) 2022年3月5日
「白人ばっかりだね?アジア人や黒人やムスリムは居ないの?」
と皮肉リプが付いていました。
私が確認した範囲では、実際にはアジアの国からも相当数行っているようです。
日本で応募された70人もうち50名は元自衛官のことでしたが、アメリカからはなんと3000名が応募!↓
戦闘経験がない人は自粛するようにとアメリカの連邦政府から釘を刺されていたみたいです。
ウクライナ側で応募者のプロファイリングをして、経験者の属性で編成みたいなこともしているみたい。
経験者は10人の特殊部隊出身退役軍人たちによる多国籍志願兵のチームが結成されたとの記事↓
こちらは元英国海軍の志願兵↓
英国海軍と言っても多人種(英人そのものが多人種)だし、プロ軍人だから安心感あるけど、『欧米』からの善意の志願兵の『善意』(同胞愛?)の中には、同じ志願兵の中にいるアジア人やらムスリムやらアフリカ系やらをナチュラルに差別しそうなXenophobia(ゼノフォビア、異分子嫌悪)が混ざってそうで志願兵の内部で揉め事にならなければ良いなとは思います。
100%善意の差別って普通にあるというか、大体100%善意だからこそ自制なしに突っ走るってのはある。
ウクライナに集結するムスリム志願兵たち
義勇軍の中で『欧米』勢が中心になれば異色になるかもしれないムスリムの志願兵たち。
クリミアタタールの首長、イサ・アカエフ氏が手勢を連れてウクライナ国軍に加勢するという情報↓。
Commander Isa Akaev a Crimean Tartar Muslim has called on Muslims to join the Ukrainian national army. The majority of Ukrainian Muslim volunteers come from the Caucasus of Russia but documented cases have seen muslims from #Georgia, Afghanistan, And Turkey join #Ukraine pic.twitter.com/LszcnHjgHt
— Patrick Kramer (@PatrickeKramer) 2022年2月28日
先日のエントリーでもご紹介したように、もともとウクライナにはタジク系などの土着のムスリムがたくさんいるので、一個隊単位で義勇兵としてロシアと戦っているようです。
また、ロシアにアブハジア等々の恨みがあるジョージア(キリスト教国だけど元オスマン帝国領なのでムスリムもたくさんいる)や、ロシアを後見とするアルメニアと戦争したばかりのアゼルバイジャン、ロシア内の小共和国(タタールスタンとか?知らんけど)、イスラムの盟主トルコなどから続々志願兵が集まってきているとのこと。
さらに、アフガニスタンやシリアなどで戦闘経験のあるジハーディストが集結しているという話も。
(紛争地を転々とするさすらいのプロ・ジハーディストみたいな人がいるとは聞いたことがあったけど…😂)
こりゃ一悶着あるぞ…!
ベラルーシ軍の頓死?
ウクライナ侵攻についての最初のエントリーで、ウクライナ国境で待機しているベラルーシ軍の中から脱走兵がウクライナ軍に加勢している(らしい)という噂について書きましたが、どうやらガチのようです。
こちらは元ベラルーシ軍兵士のみで構成された部隊らしい↓。
軍規違反でお尋ね者状態の脱走兵なので顔を隠しています。
ベラルーシ軍は上層部も対ウクライナ参戦に反対のようで、士官クラスが辞職したり、侵攻途上で頓挫したりしているみたい↓。
According to Putin's plan, Belarus’ troops had to enter Ukraine a week ago. But something went wrong. Some officers resigned, some fled Belarus and contacted us. Conscripts are massively fleeing. Apparently, some generals opposed the participation of Belarus in the war. pic.twitter.com/a4xN6GaQqk
— Franak Viačorka (@franakviacorka) 2022年3月5日
ベラルーシは大統領こそ生粋の独裁者でプーチンの子分(?)みたいなものだけど、国民は反政府デモで死人出すくらいの反ロシア(?)反ルカシェンコだから、納得と言えば納得です。
参戦拒否したカザフスタンは派兵はせず、戦車や戦闘機のみ動員?
プーチンの暴走ぶりに
- 中華銀行も取引中止するレベル
- カザフスタンも派兵拒否するレベル
- ルカシェンコもついていけないレベル
などという新たな慣用表現が生まれていましたが、派兵拒否したというカザフスタンから鉄道で戦車や軍用車等がウクライナに向かっているという噂も(真偽不明)。
BREAKING:
— Visegrád 24 (@visegrad24) 2022年3月3日
Movement of tanks and military vehicles now reported from Kazakhstan.
The opposition in the country is raising the alarm that the Kazakh authorities could be secretly preparing to go to war against Ukraine, or the wider West, together with Putin.
🇰🇿🇺🇦 pic.twitter.com/sDuPYfTicv
カザフ軍が派兵しても、ベラルーシ軍の二の舞になりそうだから賢いと思う。
ロシア軍の骨董軍備の謎
最初のエントリー書いた時点で、東部に侵入した戦車隊が軒並み50年物で途中で動かなくなったり、放棄された軍用車の車列の最初の3台だけ装甲車で後ろは軽トラ…旧ソ連製の弾道ミサイルを飛ばすも不発…。みたいな現象が起きていて
「ロシア軍ってもしかして…貧乏?」
って思っていたのですが、実際戦車もミサイルもあるだけ引っ張り出して総動員してるっぽい↓。
ロシアの援軍だそうです。軍用車両が足りなくて、古くてボロいトラックまで戦場へ…
— ナザレンコ・アンドリー🇺🇦🤝🇯🇵 (@nippon_ukuraina) March 6, 2022
世界最強の軍という神話を信じていた方、見直す機会です。空から無防備な市民を殺すことしかできない軍隊。全面戦争になるとすぐボロが出る pic.twitter.com/Q2AgLwFEg0
3月5日には、大事大事な戦闘機とヘリ(比較的新型)が9機も撃墜されるし…。
この有様だと、派兵なし・車両のみでも相当カザフスタンの援助は助かってるんだろな…。
プーチンは最新鋭・最精鋭のロシア軍はお膝元のモスクワに置いている説
あまりにロシア軍がボロくて驚いていたら、最精鋭の部隊、最新鋭の戦車等の武器はまだモスクワにあるという分析があるらしい。
ロシア軍、最精鋭地上軍や兵器「まだ投入していない」=米シンクタンク pic.twitter.com/ktUDD9TOlL
— ロイター (@ReutersJapan) March 6, 2022
『まだ』投入していないというよりは、
「戦況が悪くなると自分の身が危なくなるから投入できない」
みたい。
いや〜でも捕虜になった人の話とか読んでて、すごい田舎のお巡りさん(親衛軍とかいう武装警察)とかすごい田舎の兵役中の子とかで、戦車放棄して脱走してる兵士も多いみたいだし、
「え?ロシア軍、ど素人ばかりでは???」
と思っていたんですけど、本体はモスクワにいた(そして多分ずっとモスクワにいる)んですね。
ロシア革命もソ連崩壊も、ロシアの基本は戦争に乗じて内部崩壊するパターンなので主力をモスクワに残すのは賢い選択(?)だとは思う。
シリアの冷血軍団も参戦???
手勢に困るロシアは、先に投入したチェチェンのカディロフ軍団と並び非戦闘員を蹂躙する残忍な軍団として知られる、シャッビーハというシリアのアサド政権側の暴力集団をウクライナの地上戦要員として投入するとのこと。
Sources of @STJ_SYRIA_ENG confirm the preparation of #Russia to take Shabiha & pro-#Assad fighters to send them to #Ukraine.
— Mohamed Al Neser (النسر) (@M_Alneser) March 5, 2022
🖱️: https://t.co/KUerongs6t#RussiaInvasion pic.twitter.com/w7UlBxWQ9J
おそらく投入先は、大都市では彼らの残忍性が発揮できないので(カディロフツィと同じく、弱いものにしかイキれないタイプだと思う)、小さめの村落の多い南東部の方じゃないかと思います。
3/7追記:シリアからはアサド政権の鬼畜部隊の他に、200〜300ドルの報酬で戦闘員の募集もされているとのこと。
Russia is recruiting fighters in Syria to fight in #Ukraine could mean that #Iran-backed militants and mercenaries can become involved in a war in Europe, with untold consequences.https://t.co/0qn3CupDSQ
— Heshmat Alavi (@HeshmatAlavi) March 7, 2022
親イラン民兵や傭兵が参戦する可能性があるとのこと。
ウクライナの諜報将校がロシアのスパイとして射殺???
ウクライナの諜報機関の将校三人がロシアのスパイで、ウクライナ首脳陣の情報をロシアに流していたことが発覚、射殺されたというウクライナのメディアの報告と、
#BREAKING: Denis Kireev, a member of Ukraine's negotiating team with Russia, who was killed today, was a Ukraine intel officer and was killed during an operation - Ukraine's military intelligence https://t.co/9LRvHpcH30 pic.twitter.com/0X9W8EX2GT
— Amichai Stein (@AmichaiStein1) 2022年3月5日
作戦中に名誉の戦死というウクライナ防衛省諜報局の発表がほぼ同時に↓
ええ…
初日から二日目にバレまくっていたワグネル(疑)もそうだけど、オペレーションが雑すぎるのか、疑わしきは罰してるだけなのか…。
ただ、休戦協定の話し合いの前後でコトがあったみたいなので、多分怪しい動きをしてたんだろうなと。
何か射殺の噂は流れてたがこんな話だったとは。初回の宇露協議に参加していたらしいキレーイェウという人物が、国家反逆罪容疑で拘束の際に保安庁により射殺。ロシア側のエージェントであったことが通信記録などからわかったそう。 https://t.co/W59UqMfF49
— Hirano Takashi / 平野高志 (@hiranotakasi) March 5, 2022