世界三大ネトウヨ、MbSの皇太子就任(サウジアラビア②)
色々ありすぎて全然追いつけないですが、自分のためにまとめておきます。
国際ニュース初心者(=わたし)向けなので、ところどころ基本事項を解説してます。
わたしが改めて書くまでもなく、池内先生が書かれている通り↓なのですが、アメリカ国務省からこの声明が上がって数時間後のことでした。
この、キャメロン・ディアス似の女性は今年四月に新たに任命された元テレビキャスターの国務省ナウアート(ノーアート)報道官です。
名前的にトランプさんと同じドイツ系かな?
この関連のニュースの頻出英単語は下の三つです。ボキャ貧だったけどカタール危機のおかげで覚えました。
embargo=禁止(多分、外交・通商の停止措置のこと)
blockade=封鎖(多分、陸運・航空封鎖のこと)
grievance=不平不満
embargoとblockadeの違いはよくわからないけど、多分blcokadeの方は物理的な封鎖で、embargoは人の往来や経済的な行き来の禁止のことだろうなと推察。
曰く、
ナウアート姐さん「あれから二週間、全然理由がはっきりしなくて困惑してるんだけど、君たちがカタールを仲間はずれにしてるのってテロリズム云々じゃなくて元々不平不満溜まってただけじゃない?嫉妬乙💁」
そんなナウアート報道官の声明から数時間後のことです。
遂に来た!
MbSが皇太子に昇格しました。
MbSが副皇太子になった時からいつか皇太子になるんじゃないかと思っていたし、カタール危機が勃発した段階から、MbS(ムハンマド・ビン・サルマーン王子)がトランプに取り入ってイランと対決し、ペルシャ湾岸の劣勢を挽回しようと思ってるんだろーなーという感じはしてたんだけど、本当、
このタイミングで来ましたか!!!
って感じです。
MbSという世界三大ネトウヨの一人と彼が副皇太子になった経緯については、下のエントリー↓で軽く触れていますので宜しければ。
彼がなぜ世界三大ネトウヨなのか。ということについてはまた別に書こうと思います。
そしてこれが、ジリ貧のサウジを託される次代の君主↓。
(最後の国王にならないといいね。)
一部で『宮廷クーデター』とされる今回の件ですが、そもそもムクリン皇太子が更迭されてMbSが新皇太子に指名された時から、いずれは彼が繰り上がって皇太子になるのでは?と言われていました。
ただし、これほど早く、しかもこの(カタール断交の)タイミングで。というのを予想出来た方はほとんどいなかったのではないでしょうか?
ところが、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官は、去年の時点から既にこれを予測していたらしい。
曰く、
「MbSは忍耐がない。ナエフ皇太子を放逐しようとし、最後には実の父親さえも殺すかもしれない」
Qassem Suleimani in 2016: Mohammed bin Salman is impatient, wants to dispose the crown prince (Nayef) and maybe even kill his own father pic.twitter.com/Eme4SYooJ2
— Sam Tamiz (@samtamiz) 2017年6月22日
こちらが百戦の猛者、ソレイマニ将軍(小柄だけどすごい気迫)↓
「ネトウヨ、かかってくんのかゴルァ!」
MbSも一応防衛大臣だけど、実戦経験ないですから(イエメンで目下苦戦中)。
しかし、この方の予想に従うと、この1年くらいでサルマーン国王が亡くなる可能性がありますね。
何しろ81歳(?)のご高齢ですから、体調不良のときに医者を呼ばないだけでも亡くなる可能性があります。
金正日は、クリントン政権に降伏した父親と口論になり、激昂した金日成が心臓発作だか脳卒中だか起こしたときに医者を遠ざけたらしい(遠ざけ云々の真偽は不明だけど、実際に核問題勃発から一ヶ月くらいで金日成は亡くなっている)。
暗殺・毒殺までしなくても、体調悪化の際に放置するか、あるいは禅譲を迫るだけでも国王の座はMbSのものになるわけです。
↓この記事にMbSの性急さを表す有名なエピソードが出てきます。
While vacationing in the south of France, Prince bin Salman spotted a 440-foot yacht floating off the coast. He dispatched an aide to buy the ship, the Serene, which was owned by Yuri Shefler, a Russian vodka tycoon. The deal was done within hours, at a price of approximately 500 million euros (roughly $550 million today), according to an associate of Mr. Shefler and a Saudi close to the royal family. The Russian moved off the yacht the same day.
南仏にバカンスに出かけたMbSは波止場にあったセレーヌ(Serene)という名の大型のヨット(クルーザー?)に一目惚れし、持ち主のロシア人に直談判してその日のうちに5億ユーロ払い、自分のものにした。
MBSはどうしてこのタイミングでカタールと断交、ナーイフ皇太子放逐に踏み切ったのか?ということについて、
一つには、トランプにうまく取り入った。というのがあると思う。
3月のサルマーン国王のアジア歴訪中にキャラバンを離脱し、単身でワシントンに乗り込んで(↓)親密になったようだし、4月には同腹の弟を駐米大使に据え(この時期に、イランに対して「国内にお気をつけあそばせ」という意味深な声明(テロ予告?)も出している)、イスラム諸国サミットでも上手くやった。
ただ、実際には中東版NATOというのは結局
というトランプの(完全に無謀な)戦略(といえるのか?)であって、現実のサウジの実力では事実上見放されたみたいなもの。
アメリカの庇護下でイランと共存する選択肢がなくなり、強硬姿勢を貫いて自主防衛を図るか、イランの軍門に下るか、二択を迫られることになったと言うことなんだと思います。
オバマ政権のイラン核合意でヒビが入ったアメリカの傘が、完全に崩壊したってこと。
変な話だけど、
Anything but Obama
が政策のキモにあるトランプ政権が、サウジに関しては結果的に同じベクトルに働いているってことかもしれません。
一方ではイランとの融和、一方ではイラン封じ込めだけど、結局どちらにしてもサウジがイランに対峙する主体にならざるを得ないという。
カタール断交も、イエメン介入(という名のタコ殴り←ひどい😱) が上手くいってないのもあって、次の手を打たないとシリア・イラクを固めてきたイランにジリジリ追い詰められるっていうのはありますよね。
わたしはMBSの政策を評価しませんが、彼の存在はサウジアラビアの必然だと思っているので彼の出現自体は評価します。
フォースターニング的に。