イタリアの積極的疫学調査、チャイナの経験から分かること。⑨(そして、EUは崩壊する)
今日はこのエントリーの続きです。
- カンパナさんのコンテ首相評
- 意外に危機に強かったイタリアと、コンテ政権
- ロシアの化学部隊がベルガモの老人ホームを消毒
- 完全に揺さぶりをかけに来てるロシア
- ロシアの接近にNATO筋も警戒
- 焦るドイツはイタリアのICU患者を受け入れ
- マクロンはドイツを顎で使い、チャイナの靴を舐める
- 結果として起こるフランスヘイト
- 軍主導のハード・ロックダウンに踏み切ったスペイン
- 感染はコントロールしたものの、経済崩壊でベーシックインカムへ?
- コロナ債にNO!EUいちのどケチはやっぱりアノ国!
- EUはこれからどうなる?
カンパナさんのコンテ首相評
コンテ首相のこともよく分からなかったんですけど、カンパナさんというロンバルディア出身のイタリア人の方が滔々と語ってくださっていました。
カンパナさん「コンテはちょっとかっこいいと思って調子に乗ってる。コンテはただかっこいいだけで中身は空っぽ。コンテはかっこいい自分で居たいだけ」
要約:コンテ首相はかっこいい
見たまんまだった😂
あともうひとつびっくりしたのが、
コンテ首相は政治家じゃない。
ということ。
元々はフィレンツェ大学の法学の先生で(それはWikiを読んで知っていた)イケメンで、なんとなくそれっぽく見えるから五つ星運動に担がれてる(?)らしい。
意外に危機に強かったイタリアと、コンテ政権
権力者というよりはただのお飾りだった(らしい)コンテ首相ですが、手探りながらもなんとか連邦国家をまとめて危機をのりきりつつあると思います。
日本在住の方だとよく分からないと思うんですけど、イタリアとかドイツは連邦国家なんですね。
USAと同じようにそれぞれの州が独立していて、それぞれに官僚がいたり、法律を持っていたり(州によって義務教育カリキュラムが違ったり、祝日が違ったり)、中央権力の支配が及びにくい構造があります。
今回のコロナ危機では、まとまりの悪い官僚組織をなんとかまとめて頑張った。とWSJより↓
ただ、お飾りだと侮られていたせいか、マスコミによる過剰な批判やロックダウンのリークなど、妨害行為もあったとのこと↓。
初めてのことで正解なんてないし、建設的な批判は勿論いいと思うけど、北イタリアロックダウンの事前リークは…。アウトでしょ。
あのリークでミラノから逃げた数万人のせいで、イタリア全土で何千人も人が亡くなったよね。
それもこれも、
「イケメンのコンテが自分に酔ってリーダーシップ打ってるのが許せない!」
っていうマスコミのオジサンの嫉妬みたいなのが人を○したのか😭
ロシアの化学部隊がベルガモの老人ホームを消毒
同じEUのドイツからは援助どころかマスクの輸出まで止められて孤立無援のイタリアに、15機のロシアの輸送機がご自慢の化学部隊一個師団(?)をローマに運んで来たとのこと。
(ロシア的には中国のエキスパートチームが総勢30数名も入ってイタリアの防疫体制を仕切っていることに業を煮やしたんだと思うけど)
到着の様子も進軍の様子もすごい雰囲気でなんなんだろうと思っていたけれど、
任務としては入居者さんが亡くなってしまった老人ホームを消毒したり、
ミラノの仮設病院の設営を手伝ったりしていたようです。
完全に揺さぶりをかけに来てるロシア
ここでポイントは、明らかにロシアはイタリアをEUから引き剥がしに来ていることです。
ロシア自身もロックダウンしていて大変なのに、イタリアに肩入れするのはズバリ、揺さぶりをかけて経済制裁解除(ロシアはクリミア併合の件で未だにEUから経済制裁されています)を狙っているんだと思います。
(何しろ、装甲車の前に"From Russia With Love")
ロシアの接近にNATO筋も警戒
UKの化学専門家がイタリアの新聞にロシアの国外支援はスパイ工作という旨をコメントしロシア本国からクレームが入る自体に。
伊スタンパ()紙が、「彼らの中に間違いなく、(ロシア軍の情報機関である)参謀本部情報総局()の将校がいる」とする、北大西洋条約機構()に所属していた化学兵器専門家へイミッシュ・デブレットンゴードン()氏のコメントを掲載したところ、ロシア政府は直ちに激烈な反論を展開。同国の国防省は、スタンパが「言論の自由という理想を盾に」して「反ソビエトのプロパガンダ」を思い起こさせる話を広めたと非難した。
YouTubeコメントなどわたしが確認した範囲では、
というのが大勢でしたので、イタリア人的には口先でチャチャだけ入れてくるNATOやEUよりも、実際に人を出して助けてくれたチャイナ、ロシア、キューバ、アルバニアなんかの方が好印象のように見えます。
大体、今のUKの体たらくを見ていると(ロンドンはNYCよりは少しマシという程度)、NATO何するものぞ。って感じですよね。
しっかりして〜〜😭
焦るドイツはイタリアのICU患者を受け入れ
でもまあ、遅かったよね😓
もうイタリアの心は戻ってこないと思うよ。
マクロンはドイツを顎で使い、チャイナの靴を舐める
マスクを付けた中国人観光客を念頭に置いて
「公共の場でマスクをするのは非科学的で人を不安にさせる」
と威圧していたのは2月の終わりのことだったのに、今世紀最大の掌クルーでチャイナからマスクを爆買い。
(*イラン核合意でも分かる通り、フランスの掌クルーは平常運転)
百万枚のマスクを送ってもらった次の週にはチャーター機を飛ばして爆買い。
ロシアからのチャーター機や
エールフランスのカーゴなど。
さらにはフランス領域内のマスクを全て国が接収できる法律を作りマスクを独り占め↓。
(最初に輸出拒否を始めたのはドイツだけど)
そして、盛大に医療崩壊している東フランスはベッドが空かない限りほぼすべての重症をドイツ(他には、スイスや国内の比較的マシなところにも)に送っています。
って言うけど、フランスはイタリアが大変なときに思いっきり○体蹴りしてたよね?
詳しくはYouTubeを"Corona Pizza"で検索。
https://www.youtube.com/watch?v=9vV-1pEjpZg
結果として起こるフランスヘイト
検査数がドイツに比べて圧倒的に少ないフランス(潜在的な感染者がめちゃくちゃ多い)からフランス人がノコノコ来ることに恐怖を感じるドイツのフランス国境の街では、フランス人が卵を投げつけられる自体が勃発しているとのこと。
仏グランテスト(
)地域圏と国境を接する独ザールラント( )州のアンケ・レーリンガー( )経済相も8日、「フランスの人々が侮辱され、卵を投げ付けられていると聞いている。こうしたことをする者たちは、国家間の友情に対して罪を犯している」と非難し、謝罪した。その数日前には、対仏国境沿いに位置する小さな町ガースハイム(
)の町長がニュースサイト で、自身の地域で「フランスの友人たちに対して特定の敵意」があることを訴えた。
ドイツ人のフォローをするわけではないけれど、ドイツもフランスも両方国家主導の健康保険の国で、同じように国家に医療提供の義務があるのに一方のフランスは義務を怠って(←怠っているわけではないけど、ドイツ人にはそう見えていると思う)、真面目にやっているドイツの医療を食い荒らしに来ている(よく日本のネトウヨも中国人に対して言っている気がします)、という不満が、潜在感染者の多いフランス人に対する恐れと同時にあるんだと思います。
軍主導のハード・ロックダウンに踏み切ったスペイン
そもそもコロナに対してノーマークで、兄弟国家のイタリアがロックダウンしている間も検査も全くせず、
「外出制限?なにそれ美味しいの?」(with 世界各国からの観光客)
というイタリアからの振替観光客も来ていたかもしれない賑々しい街の様子を
大学病院で院内感染に気付いて患者の検査をしだす頃にはあっちもこっちも火を吹いて、あっという間にマドリッドは火の海に。
スペイン軍総動員してのハード・ロックダウンをすることに。
スペイン軍って結構すごい?と思ったんですが、スペインは最近まで兵役があったみたいなんですよね。
某国のニュースを読んで思い出したがスペインも2001年まで兵役制度があった。18歳になって赤紙が届いたときの衝撃は今でも忘れられない。大学進学のためのprórroga(延期)や、objeción de conciencia(良心的拒否)の兵役逃れもあったが、自分は過度な近視と乱視で免除された。軍医に怒鳴られたけど。
— ミヤンマルティン (@gakumon_alberto) 2020年4月12日
経済を完全に止める厳しいロックダウンで難局を乗り切ったスペインは、イタリアを抜く勢いで爆発的に増えていた死亡者がかなり急激に減少に転じ、今ではグラフの傾き的にUKが追い越しそうなくらいに落ち着いています。
人口はUK>イタリア>スペインなので、最終的にはUKがスペインの死亡者数を抜くのは確実なんじゃないかと思います。
感染はコントロールしたものの、経済崩壊でベーシックインカムへ?
人口5000万人に満たない国で1日に千人近くの死者が出てしまったスペインは、経済を止めて中国並(?)のロックダウンをしました。
その結果、経済が崩壊してしまい、失業率がすごいことになったので、ベーシックインカムを導入したいと経済大臣が提案しているとのこと。
但し、スペインは通貨がユーロ圏なので通貨発行権がなく(あんまり詳しくないけど、多分国債も出せない)、実施できるかどうかはEU次第ということに。
コロナ債にNO!EUいちのどケチはやっぱりアノ国!
スペインよりも長期間ロックダウンしているイタリアは、EUに共同のコロナ債発行を提案しました。
緊縮第一のEUとメルケル首相ですが、特にメルケル首相はイタリアに対する初動の冷たい仕打ちに対する罪の意識もあるのか、基本的には前向きに検討する姿勢とのこと(額は絞る)。
ところが!
ここで口を出してきたのはどケチで有名なあの国です。
奢りじゃなくて割り勘、といえば、go dutch
十人の飲み会でも会計の手間を気にせず、一円単位まで割り勘するgo dutch
オ・ラ・ン・ダ
オランダこわい。
ラテン国家仲間のポルトガル(自身は早めの鎖国でセーフ←BCG関係ないよ!)が、
「オランダいきなりしゃしゃり出てきてなんだ?」
とコロナ債のフォローに周り、ゴタゴタしているっぽいです。
EUはこれからどうなる?
危機の時にEUが全然助けてくれなくて正のインセンティブがなくなった上に、復興のための資金繰りさえ阻まれてEUに止まる限り立ち直りの契機さえ掴めないスペインとイタリアは、もはやEU離脱しか復活の選択肢がなくなったんじゃないかな?と思います。
経済界にお友達がいっぱいいて経済に強いUKのボリス・ジョンソン首相がロックダウンで思い切った経済政策が出せたのは、
によると思いますし。
3月の日曜日にイタリアで900人近くなくなった夜、テレビで報告するコンテ首相が泣いていたのを思い出します。
貧困にあえぐ南イタリアでは早くから暴動の不安があるのに、なかなかお金が配れない。
EUに居る限り自国民を守れないなら、出るしかないよなぁって思いますよね。